写真●「ICT営業、きっと心得帳――ネットワーク・ビジネスから見えること」をテーマに講演
写真●「ICT営業、きっと心得帳――ネットワーク・ビジネスから見えること」をテーマに講演
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 2014年7月18日、企業向けにITをはじめとするオフィス環境全般に関するサービスを提供しているKDDIまとめてオフィスで、100分の講演をした(写真)。いつもは企業のIT部門やネットワークエンジニアを対象に話すことが多いのだが、今回は営業担当者が主な対象である。

 テーマは「ICT営業、きっと心得帳――ネットワーク・ビジネスから見えること」だ。企業ネットワークの動向や筆者が現在注力している提案内容だけでなく、営業の考え方、提案書の書き方などの要点を、エピソードを交えながら話した。熱心に聞いている人が多く、気持ち良く話すことができた。講演は「営業は何を売るのか」という質問から始めたのだが、その答えは後述する。

 さて、本論に入ろう。携帯通信事業者(MNO)の接続料金大幅値下げやライトユーザーのニーズを背景に、MVNOの格安SIMが注目を集めている。

 格安SIMはコンシューマーだけでなく、企業のWAN(広域ネットワーク)にも大きなインパクトがある。例えば月間のデータ転送量が1GバイトまでのSIMは、バックアップ用の回線として最適だ。「フレッツ 光ネクスト」でバックアップする代わりに、格安SIMを使うと月額5000円が同900円で済んでしまう。これからの伸びが期待されるM2M(Machine to Machine)もデータ量が少ないケースは格安SIMが適している。

 今後、MNOとMVNOのサービスや料金プランが多様化する中、それらを企業ネットで生かすにはどんな仕様のルーターを選択するかが重要になる。

SIMが入るルーターに注目

 これまで3GやLTEが使える企業向けルーターは、USB端末を挿入するタイプが使われていた。しかしMVNOは、スマートフォンを主なターゲットとしているためSIM単体での提供が多く、USB端末は少ない。MVNOの選択肢を広げるには、ルーターがLTE/3G通信モジュールを内蔵し、SIMを挿入して使えることが望ましい。