今月の日本経済新聞の「私の履歴書」は将棋の中原誠 第16代永世名人である。筆者は中原名人の全盛期、1970年代後半に将棋を始めた。当時は熱心に将棋の月刊誌を読んでいたので、私の履歴書に出てくるエピソードもよく記憶していて懐かしい。その後、10年以上将棋から離れていた時期があったのだが、今は日本将棋連盟のインターネット将棋、将棋倶楽部24で毎日指している。

 さて、本論に入ろう。NGN、Next Generation Networkとはなつかしい言葉である。今から10年前の2006〜2007年頃には期待感と懐疑感の両方を持ちながらNGNの勉強もしたし、セミナーで語ったりもしたものだ。そして、2008年3月にNTT東西がサービス開始。それから8年が経過したが、NGNという言葉を口にすることもなくなっていた。

 しかし、NGNにも使い道があることを最近知った。

NGNはISDNデータ通信の後継

 一つはISDNの後継としてのNGN利用である。2020年の下期からISDNでデータ通信が使えなくなる。筆者はISDNの利用などとっくの昔に止めているので関係ないのだが、世の中にはISDNを持った端末がまだまだ数多く使われているし、広域イーサネットなどのバックアップ回線として利用している例もある。

 銀行ではメインが広域イーサ、バックアップがフレッツ、さらに2本目のバックアップとしてISDNを使ったりする。ISDNは必ずつながるという「ISDN神話」が根強く残っているのだ。

 ところで、そもそもISDNは回線交換なので通信する機器同士を針金でつなぐようなものなのに、電話は通すがデータは通らないようにするとはどういうことか、と疑問に思った。ISDNは発呼するとき音声・通話コールなのか、64kデジタルビットストリームなのか区別するコールタイプをセットアップメッセージに設定するのだ。後者を指定できなくなるというのが「データ通信廃止」の意味である。

 ISDNをバックアップなどで使っているユーザーがこれからネットワーク機器更改を始めるなら、ISDNデータ通信を使わない構成に変えねばならない。更改後の機器は4年後も使い続けられる必要があるからだ。