写真●「フラガール物語」(清水一利著、講談社刊)
写真●「フラガール物語」(清水一利著、講談社刊)
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 2006年に公開された映画「フラガール」は現・福島県いわき市にあった常磐炭坑の斜陽化が進む中、雇用確保のため常磐ハワイアンセンター(現・スパリゾートハワイアンズ)が1966年に創業された時の初代フラガールたちの奮闘を描いた映画だ。彼女たちのひたむきな情熱と友情、家族との葛藤や親子の情愛、師弟愛が、きれいで迫力あるダンスとともに描かれている秀作である。

 「フラガール物語」(清水一利著、講談社刊、写真)はフラガールの誕生から現在までの半世紀を約30人へのインタビューを通じてまとめたものだ。フラガールやその周囲の人たちの情熱や愛情といった本質は、現実と映画の間に違いはないのだろう。しかし、映画の登場人物とそのモデルになった実際の人物にはかなりの差があるし、フラガールが置かれた環境も映画より実際の方がずっと立派であったことが分かる。いずれにしても「フラガール」のファンには興味深く読める一冊である。

 さて、本論に入ろう。「私はネットワーク技術者というより、ネットワーク話術者を目指しています」、と講演などで冗談めかして言うことがある。数々のプレゼンや講演をやってきたが、ある時、役員プレゼンを終えた直後に「『ジャパネットたかた』のようだ」と言われたことがある。喜んでいいのか悲しむべきなのか分らなかったが、プレゼン直後の合議で筆者の受注が決まったそうなので、褒め言葉だったのだろう。

 プレゼンや講演には多少の自信があるのだが、先日、プレゼンを評価するプロに点数をつけられる機会があった。

評価項目は初心者に有効

 いささか古い話だが、2014年11月に、NECが毎年有楽町国際フォーラムで開催する大規模イベントiEXPOで、「『格安SIM』を120%活かす次世代企業ネットワーク」というテーマの講演をした。筆者は知らなかったのだが、全てのセミナーを外部の専門家が聴いて評価しており、その結果が半月後にフィードバックされた。自分のプレゼンに点数を付けられたのは初めてだった。