写真1●ブックオフで処分した本の一部
写真1●ブックオフで処分した本の一部
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 いささか古い話になるが、年末に恒例の本の整理をした。書棚に収まりきらなくなった本が床においてある。これらと書棚にある本の間で入れ替えをし、持っておきたいと思うものは書棚に残し、後はブックオフで処分するのだ。今回は49冊だった(写真1)。ほとんどが軽い文芸書で、技術書は3冊しかない。

 それにしてもブックオフの買い取り価格は安い。一番高かったのが「ネットワーク仮想化とSDN/OpenFlowのしくみ」で、350円である。著者には申し訳ないが、期待はずれの本であった。著者自身にSDN/OpenFlowを動かした経験がないのだな、とすぐ分かる。抽象的で具体性がない。結果、読んでも分かった気がしないのだ。

 さて、本論に入ろう。先日、ネットワークコンサルティングの相談を受けた企業を訪問した。国内に約200拠点のネットワークを持っている。費用の内訳を聞いてちょっと驚いた。イントラネットの回線費用は年間1億円足らずなのだが、モバイルのコストが2億円を超えているのだ。

 筆者の経験では企業ネットワークに占めるモバイル費用の比率は40%程度だったので、ここまでモバイル化が進んだのかと思った。

 費用だけではない。筆者が2015年6月に構築した閉域モバイル網を使った企業内IP電話システムでは、固定電話機中心の仕組みを捨て、内線電話端末の85%をスマートフォンにした。

 モバイルはLTEの普及とMVNOの広がりで、高速・高品質で安価になった。企業はコストを抑えながらモバイルをふんだんに使えるようになったのである。これからの企業ネットワークは「モバイルシフト」を積極的に進めることで経済性と利便性を向上できる。