2015年1月16日、関西NUA(NECユーザー会)主催の新春フォーラムで講演した。今年の話初めである。初めてパソコンを使わず、iPhone6にインストールしたPowerPointでスライドを映写した。画質も操作性もまったく問題ない。OneDriveに置いてあるスライドをLTEでダウンロードしたのだが、5MB程度なのであっという間であった。もう、プレゼンのためにパソコンを持ち歩く時代は終わったのだ。

 さて、本論に入ろう。今年、企業ネットワークで最も注目すべきは、MVNO(仮想移動体通信事業者)の活用である。昨年コンシューマー向けで話題になった格安SIMを、企業はどう活用すべきか。

 企業では固定回線(光ファイバー)の代替としての利用から、M2M、さらには安価なIP電話サービスのインフラなど、MVNOが提供するサービスの応用範囲は広い。しかし、企業が使うにはただ安価なだけでなく、安心して業務に使えるサービスにする努力がMVNOには求められる。

サービスレベルを開示せよ

 先日、モバイルに詳しい4人の知人と格安SIMの優劣について話をする機会があった。人気の高い格安SIMが昼休みになると使えないとか、データ通信容量無制限のサービスなのに、大量に使った日の翌日は速度制限で使い物にならない、といった声が聞かれた。

 「格安」だけに踊らされてユーザーが殺到し、サービスレベルが極端に落ちる時間帯ができたり、「速度制限をすることがあります」などという曖昧な注意書きだけで突然、利用制限をかけたりする。こんなサービスでは企業 ユースには耐えられない。これらの サービスのレベルは「ベストエフォート」より劣る、「ノーエフォート」とでも呼ぶべきものだろう。