この連載では、「仕事を成功させるための思考術」を扱っている。前回は、人の能力を決定付ける要素は3つあり、それは「I行動特性がよいか、II技能・知識があるか、III自己成長していけるか」ということを述べた。
また、これらの要素を十数年に渡って観察してきた結果、「仕事を失敗させる人」、と「成功させる人」には「いくつかの明確な思考上の特徴があることも説明した。
これらの結果、筆者は「失敗をさせるダメな仕事」には10の種類があり、これを改善するための思考術を身に着けることが「仕事を成功させる」早道になると説明した。「失敗をもたらす10のダメ仕事」は次の通りである。
(1)目的が曖昧で作業手順がいい加減な仕事
(2)情報が不足し鮮度も悪い仕事
(3)他人を蔑ろにする仕事
(4)素人の浅知恵で判断する仕事
(5)発想が貧困でつまらない仕事
(6)自分の考えに酔いしれる仕事
(7)社内調整が甘い仕事
(8)資料が非論理的で分からない仕事
(9)説明の辻褄があってない仕事
(10)思想も志も見えてこない仕事
これら「10のダメ仕事」は、全てありきたりで当たり前と思える読者が多いのではないかと思う。10年以上前、まだソフトスキルの研究を始める前の筆者も同様に考えていた。