この連載では、「仕事を成功させるための思考術」を扱っている。前々回と前回では「発想が貧困でつまらない仕事」をテーマに、B社の上野主任と浮島課長補佐の事例を説明した。「失敗をもたらす10のダメ仕事」は次の通りである。
(1)目的が曖昧で作業手順がいい加減な仕事
(2)情報が不足し鮮度も悪い仕事
(3)他人をないがしろにする仕事
(4)素人の浅知恵で判断する仕事
(5)発想が貧困でつまらない仕事
(6)自分の考えに酔いしれる仕事
(7)社内調整が甘い仕事
(8)資料が非論理的で分からない仕事
(9)説明の辻褄があってない仕事
(10)思想も志も見えてこない仕事
前回までは、B社の上野主任の仕事ぶりに浮島課長補佐がダメを出し、上野氏が悩んで自暴自棄になった状況と、その後、浮島氏が「発想力向上のヒント」を与え、上野氏が新しい仕事のやり方をつかんだ状況を紹介した。
浮島補佐が上野主任に与えたヒントを改めてまとめると、以下のようなものだった。
- 目的を明確にする
→具体的に細分化して「何のアイデアを出すのか」を明らかにする。 - 仮説を持つ
→「どういうゴールになるのか、それはどのような形か」の仮説を持つ。 - アイデアを出す動機を高める
→「答えは絶対にある」「目標は必ず達成できる」「解決できない問題はない」と念じ、脳に「答えを出せ」と命じる。通勤時間もただ本やネット情報を眺めるだけではなく、テーマを持って答えとなるアイデアを捻りだすつもりで考える。 - 情報を収集する
→ネットや雑誌をあたったり人に聞く。専門家を訪ねて聞きまくる。 - リラックスして考える
→通勤時間や散歩中、入浴中などリラックスできる時間を無駄にせず、どこでも、どんなときでも考える。
これらは「発想を豊かにする」ために役に立つ。ぜひ、読者の方にも試していただきたい。