SMBC日興証券は2017年12月22日、人工知能(AI)とビッグデータを活用した個人向け投資情報サービスを展開すると発表した。「逆日歩予報」と「AI株価トレンド予報」の2種類の試用版の提供を開始した。

 前者の逆日歩予報は、信用取引の売り手が負担するコストである「逆日歩」の発生確率と金額の予測を、ビッグデータ分析などによって割り出し、メールで顧客に通知するサービス。逆日歩が発生するのかどうか、発生する際の金額がいくらになるのかは取引当日には分からず、取引の翌日以降に高額のコストが発生していたことに気付くケースが少なくない。逆日歩予報の情報を活用すると、顧客は逆日歩によるコスト負担の軽減を期待できる。

 同サービスは、野村総合研究所が算出する逆日歩予報データを基にSMBC日興証券が開発した。SMBC日興証券によると、逆日歩の発生確率を事前に分析して個人に情報を提供するのは業界初の試みという。

 後者のAI株価トレンド予報は、短期間で株価に影響を与えそうなニュースやプレスリリースなどの情報をAIが収集。その情報を基に複数のアナリストが株価の動向を予想した結果をメールで顧客に通知する。金融情報サービスを手がける財産ネットの「兜予報」サービスに、SMBC日興証券が銘柄登録機能・通知機能を付加して開発した。予想対象の株式は200銘柄。

 逆日歩予報とAI株価トレンド予報の試用版は、SMBC日興証券に口座を保有しているかどうかにかかわらず無料で利用できる。正式版は機能を拡充したうえで、同社の口座を持つ顧客を対象に2018年度に提供する計画である。