さくらインターネットは2017年12月21日、GPU(グラフィックス・プロセッシング・ユニット)を搭載したサーバーを時間貸しするクラウドサービス「高火力コンピューティング」で、一部メニューの新規提供を一時停止すると発表した。米エヌビディアが消費者向けGPU「GeForce」シリーズのデバイスドライバーソフトウエアのライセンスを変更したことを受けたもの。プロ向けGPUの「Tesla」シリーズを搭載したサーバーを時間貸しするサービスは引き続き提供する。

 エヌビディアは2017年11月末に世界でGeForce用のデバイスドライバーソフトウエアのライセンス条件を変更し、データセンターへの導入を禁止する条項を追加した。データセンターではプロ向けのTeslaや「Quadro」を使うよう求めている。

 さくらインターネットはGPUサーバーを貸し出すサービスのうち、GeForceシリーズの上位モデル「TITAN X」を搭載する「Quad GPU(Pascal)モデル」「Quad GPU(Maxwell)モデル」の2種の新規提供を一時的に停止する。Teslaシリーズを使う3種のサービスは継続する。

 さくらインターネットによれば、エヌビディアが「Quad GPUモデルの利用者が新しいライセンス条件に同意してドライバーソフトウエアをダウンロードすることは著作権の侵害に当たる」との見解を書面で通知してきたという。エヌビディアは12月7日以降に同ソフトをダウンロードした利用者に対するQuad GPUモデルの提供の中止を求めた。さくらインターネットは今後の対応を検討中とする。