ディー・エヌ・エー(DeNA)と創通、文化放送の3社は2017年12月20日、共同でオリジナルアニメ作品を創出するプロジェクトを開始すると発表した。プロジェクト名は「Project ANIMA(アニマ)」。幹事社はDeNAが務める。

「Project ANIMA」に参画する3社(左から文化放送の片寄好之氏、DeNAの安江亮太氏、創通の難波秀行氏)
「Project ANIMA」に参画する3社(左から文化放送の片寄好之氏、DeNAの安江亮太氏、創通の難波秀行氏)
(出所:DeNAと創通、文化放送)
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 12月20日の発表会で、DeNAの安江亮太IPプラットフォーム事業部長は「Project ANIMA」について、「3社による新規IP(原作)創出プロジェクト」と説明した。プロジェクト立ち上げの背景については、「日本だけでなく海外からもアニメ作品の需要が高まるなか、原作が非常に求められている状況となっている」などと述べた。

 Project ANIMAが目指すものとして2点を挙げた。「次世代を担うクリエーターたちと共に、2020年代のアニメファンに捧げるオリジナル作品を創出したい」「若手クリエーターの『発掘』、そして共に『創造』する場を提供することで、アニメ業界の発展に貢献していきたい」とした。

 同プロジェクトでは、DeNAグループが運営する「マンガボックス」「エブリスタ」などの投稿プラットフォームを軸に、広く一般からアニメの原作を募集する。小説、脚本、マンガ原稿、ネーム、イラスト、動画など多岐にわたるフォーマットで応募を受け付ける。作品の審査はProject ANIMAに参画する3社と、各部門の映像化を手掛ける制作会社が合同で行う。

 選出作は、アニメ制作会社であるサテライトやジェー・シー・スタッフ、動画工房によってアニメ化される。その他の作品も入賞作品となった場合、書籍化・コミック化・ゲーム化などが検討されるという。

 2020年の放送期を照準に、ジャンルの異なる三つのテレビアニメシリーズの制作を目指す。第一弾となる「SF・ロボットアニメ部門」の作品募集は、2018年2月1日から同4月15日にわたって行う。

 作品募集開始に先行して、文化放送で2018年1月4日にプロジェクト関連番組の放送を開始する。番組名は、「エブリスタ・マンガボックスpresents豊永・小松・三上の真夜中のラジオ文芸部」である。

 声優と放送作家が番組内でプロ作家を目指すラジオ番組で、Project ANIMAの最新情報や投稿作品の紹介なども行う。文化放送の片寄好之・取締役メディア開発本部長メディア開発局長は、プロジェクトへの参加を呼びかけられた点について、「ラジオ局である文化放送がコンテンツを育成するにふさわしいメディアと捉えてもらった結果と考えている」とした。

 創通の難波秀行・企画営業本部長は、同社がProject ANIMAに参加した理由について、「オリジナルアニメを作り続けたいと強く感じていた」と説明した。同プロジェクトについては、「Project ANIMAの開始は、新しいクリエーターと出会える場を創出し、クリエーターが活躍できる場を供給することにもなる。これらが結果的に日本のアニメ市場規模の維持や拡大に少しでも貢献できればいい」とした。

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