全日本空輸(ANA)は2017年12月20日、国内線の機内で提供している公衆無線LANサービス「ANA Wi-Fi Service」を2018年4月から無料提供すると発表した。競合の日本航空(JAL)が2017年2月から国内線の公衆無線LANサービスを無料提供しており、これに追随して機内サービスの強化を図る。

ANAは国内線の機内公衆無線LANサービスによるインターネット接続機能を無料化し、JALに追随する
ANAは国内線の機内公衆無線LANサービスによるインターネット接続機能を無料化し、JALに追随する
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 ANAの国内線向け旅客機約140機のうち、ボーイング777型機、ボーイング787型機、ボーイング767型機、ボーイング737-800型機、エアバスA321型機を対象にアンテナなどの設備を順次装着していく。サービス開始時点では70機前後が対象だが、対象機は今後順次拡大するとしており「2019年3月末までに対象機種約100機のほぼ全機で利用可能にする」(ANA)。搭乗便が公衆無線LANサービスの対象便か否かは「2018年1月以降に国内線Webサイトの『運航状況の確認』機能で確認できるよう準備中」(ANA)とする。

 これまでは、ANA Wi-Fi Serviceのうち機内のコンテンツサーバーに接続してテレビ番組などを視聴できる機能は無料だったが、インターネット接続機能は40分550円または1フライト1050円の有料サービスだった。今後は料金を支払うことなく、乗客のスマートフォン(スマホ)やPCから機内の無線LANアクセスポイントと通信衛星を介してインターネットに接続できる。

 通信インフラはパナソニック・アビオニクスの機内インターネット接続サービス「eXConnect」を使う。接続先については「動画サイトへの接続はできない」(ANA)としているが、メールやWebサイトの閲覧、対話アプリやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などの利用は問題なくできる見通し。

 このほかANAの国内線向け旅客機では、主力の大型機であるボーイング777型機や中型機のボーイング787型機に2019年度下期以降、USB充電ポートやパソコン用電源を順次設置していく予定。中型機のボーイング767型機や小型機のボーイング737型機もUSB充電ポートを順次設置するとしている。2017年に就航した最新機種の小型機であるエアバスA321neo型機は、USB充電ポートとパソコン用電源を全機に標準装備する。