LINEは2017年12月20日、中国のシェアバイク(自転車)最大手であるモバイクと提携し、シェアバイク事業に参入すると発表した。LINEのアプリから、シェアバイクの予約や決済ができるようする。2018年上期から事業を開始する。

 LINEの出澤剛社長は、「LINEを使って提供するシェアリングサービスの第一弾として今、最も盛り上がっているシェアバイクを選んだ」と強調。「日本は中国以上の自転車大国。LINEの月間利用者7100万人が、いつでも誰でも使えるサービスを提供していきたい」(出澤社長)と意気込みを語った。

LINEの出澤剛社長(左)と中国モバイクの創業者フー・ウェイウェイ氏
LINEの出澤剛社長(左)と中国モバイクの創業者フー・ウェイウェイ氏
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 LINEはモバイクの日本法人であるモバイク・ジャパンに出資し、取締役も派遣する。出資額は非公表だ。「20%未満で持分法適用会社にもならない。事業に対するコミットメントの意味で出資をする」と出澤社長は説明する。

 LINEがシェアバイク事業を展開するための自治体との交渉やインフラ整備、ユーザーへのプロモーションなどを担当し、モバイク・ジャパンが自転車の整備や貸し出しなどのシステム構築などを担当する。出澤社長は「モバイクは自転車だけでなく、バックエンドの業務システムやスマートフォンアプリのUI(ユーザーインタフェース)が非常に優れている」と評価する。

 中国モバイクは200都市以上でシェアバイクサービス「Mobike」を展開している。保有する自転車は800万台で1日当たり3000万回の利用がある。モバイクの創業者であるフー・ウェイウェイ氏は、「我々の強みはユーザーエクスペリエンスを常に追求していること」と強調する。

 QRコードを使った貸し出しシステムや、GPSを利用した自転車の管理システム、2016年4月の創業以降に自転車の改良を既に8回実施したことなどを例に挙げ、「カイゼンを続けて便利なものを顧客に提供し続ける点で、他のシェアバイクサービスと大きく異なる」(ウェイウェイ氏)とした。

モバイクのシェアバイクサービス「Mobike」で利用する自転車
モバイクのシェアバイクサービス「Mobike」で利用する自転車
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 モバイクは2017年6月にモバイク・ジャパンを設立し、8月に札幌などで既にサービスを提供している。LINEがモバイクとの提携を選んだ理由について出澤社長は、「シェアリングサービスで重要なのはカイゼン。モバイクはサービスのカイゼンスピードが速いことを評価して、こちらから声をかけた」と説明した。