SCSKは2017年12月18日、企業向けにオンラインストレージサービス「Dropbox」の導入を支援する事業に参入すると発表した。国内企業として初めて、米ドロップボックスのサービスパートナーになった。働き方改革の一環としてSCSK自身がDropboxを利用してきた経験を生かし、関連事業を含め年間30億円程度の売り上げを見込む。

 ドロップボックスの企業向けサービスのパートナープログラムには3種類ある。販売パートナーと技術パートナー、そして企業への導入を支援するサービスパートナーだ。SCSKはこれまでDropboxの企業向け販売を手掛けてきたが、導入支援に商機があるとみてサービスパートナーへの移行を決めた。技術者10人がドロップボックスのトレーニングを受けて海外の先行事例やシステム構築ノウハウを学び、認定を受けた。Dropboxを導入する企業に、既存のファイルサーバーからのデータ移行、利用者認証基盤の「Active Directory」とのアカウント情報の同期やシングルサインオン環境の構築、ログ解析ツール「Splunk」との連携といった支援サービスを提供していく。

SCSKの渡辺篤史常務執行役員
SCSKの渡辺篤史常務執行役員
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 残業時間の削減など働き方改革に積極的なSCSKは、いつでもどこでも働ける新しい働き方を追求する取り組み「どこでもWORK」を2015年10月に始めた。役員を含む全社員が月に数回、自宅やサテライトオフィスで勤務している。どこでもWORKを支援するツールの一つとしてDropboxを複数の部門に導入し、効果的な使い方を探ってきたという。

 SCSKの渡辺篤史常務執行役員は「働き方改革を支援するツールは全社員が支障なく使えなければならない。消費者向けサービスから始まったDropboxの使いやすさに価値があると考えた」と背景を説明する。「ここ1~2年で企業向けの機能拡充が進み、国内企業のニーズを十分に満たせるようになった」(ITマネジメント事業部門の山中克己基盤サービス部長)と判断した。

Dropbox Japanの五十嵐光喜社長
Dropbox Japanの五十嵐光喜社長
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 Dropbox Japanの五十嵐光喜社長は「国内でやみくもにサービスパートナーを増やすつもりはない。まずは働き方改革に実績があるSCSKと二人三脚で進めていく」と話す。Dropboxを利用する企業は、世界で約20万社に上るという。導入支援サービスを提供するパートナーを得て、国内でも企業向けサービスとしての定着を目指す。