警察庁は2017年12月11日、ネット銀行のユーザーIDやパスワードを不正に取得するウイルス「DreamBot」の被害が国内で急増していると発表した。2017年7~9月までは1カ月当たり20件程度だったのが、同年10月以降は70件程度に達した。

 DreamBotは、ユーザーが入力したネット銀行のIDやパスワードといった認証情報を盗み出す、遠隔操作でコンピュータを乗っ取り不正送金を実行するなどの機能を備える。

 警察庁によると、これまでの被害者にはウイルス対策ソフトを導入していない、もしくは定義ファイルを最新版に更新していない状況が見受けられる。このため同庁は、ウイルス対策ソフトを導入し、適切に利用することを推奨している。

 また、日本犯罪対策センター(JC3)によると、2017年10月以降、DreamBotに感染させるメールが日本を標的に大量に送信されている。メールでは楽天カード、三菱UFJ信託銀行などの実在企業や、米アップルの「Apple ID」などのサービスを詐称しており、本文のリンクをクリックするとウイルスに感染する。

 JC3は、特に年末は例年不正送金被害が増加する傾向にあるとして、注意を呼びかけている。