パブリッククラウド「Amazon Web Services(AWS)」の日本におけるユーザー団体であるE-JAWS(Enterprise-Japan AWS user group、イージョーズ)は2017年12月6日、メディア向けの活動報告会を開催した。

E-JAWSのメンバー。(左から)日通情報システムの下田よしのインフラサービス部課長、ローソンの進藤広輔システム基盤部マネジャー、フジテックの友岡賢二常務執行役員情報システム部長、朝日新聞社の山本和人デジタル本部長補佐
E-JAWSのメンバー。(左から)日通情報システムの下田よしのインフラサービス部課長、ローソンの進藤広輔システム基盤部マネジャー、フジテックの友岡賢二常務執行役員情報システム部長、朝日新聞社の山本和人デジタル本部長補佐
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 E-JAWSの会長を務めるフジテックの友岡賢二常務執行役員情報システム部長は、2017年の活動を振り返って「以前のE-JAWSメンバーはネットサービスを展開する“とがった企業”が中心だった。ここ最近は、ネットサービス以外の“普通の企業”や銀行が基幹業務システムにAWSを活用しようとする取り組みが進んでおり、E-JAWS内の情報交換の中身も大きく変わった」と述べた。

E-JAWSの友岡賢二会長(フジテック常務執行役員情報システム部長)
E-JAWSの友岡賢二会長(フジテック常務執行役員情報システム部長)
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 E-JAWSの会員数は101社268人。会員資格は「企業としてAWSのユーザーであり、IT導入の意思決定者が参加すること」である。日本におけるユーザー団体としては「JAWS-UG」が有名だが、こちらはITエンジニアを中心とした個人の参加が主体。これに対して、E-JAWSは企業情報システムでのAWS活用について、クローズドな場での情報交換を目的としている。

 具体的には、年に2回の総会や部会などのリアルの会合や、会員向けポータルサイト上で交流する。技術面だけではなく組織面の課題についても活発に情報交換されるという。

 コミッティーメンバーであるローソンの進藤広輔システム基盤部マネジャーは、「一般に、日本企業の情報システム組織はアプリ開発と基盤運用に分かれていることが多い。開発と基盤が一体化したAWSのサーバーレスやコンテナなどの新技術を導入しようとすると、組織の壁が問題になる。AWSによる『ベンダーロックイン』を懸念する声も根強い。そのような悩みについてもE-JAWS内で議論されている」と説明した。

 友岡会長は「企業ではコスト削減も大きな悩み。E-JAWSの場では『こうすればAWSの料金を節約できる』『このITベンダーに依頼すれば価格のわりに品質がいい』といった話題についても率直に意見交換している」と話した。

■変更履歴
友岡賢二氏の肩書を執行役員としていましたが、正しくは常務執行役員です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2017/12/07 14:30]