セールスフォース・ドットコムは2017年11月30日、クラウドサービス「Salesforce」の最新動向を紹介するプレスセミナーを開いた。2018年以降、人工知能(AI)やIoT(インターネット・オブ・シングズ)を組み込んだアプリケーションを、企業の部署や社員個人の仕事に合わせて簡単に開発できるようにするサービスを充実させると説明した。
セミナーに登壇したマーケティング本部の御代茂樹プロダクトマーケティング シニアディレクターは「当社は数年前から業務アプリケーションの開発生産性の向上に取り組んできた。この流れを受け、今後は、ITエンジニアではない、業務部門の担当者も世の中を変えられるよう、簡単にアプリを開発できる基盤サービスを充実させていく」とした。
2018年以降、本格提供していくのは、「my」が付く5つの開発基盤サービスだ。「myTrailhead」は、Salesforceを使った開発手法やビジネス知識を習得する教育コンテンツを企業が独自に作成して社員向けに展開できるようにするサービスである。
「myEinstein」はAIやチャットボットを組み込んだ業務アプリを開発できるサービス。IoTデータを活用するアプリ開発として「myIoT」も提供。いずれもアプリをマウス操作で開発できるようにしている。
このほか、企業が独自のスマートフォン向けアプリを開発したり、社員や顧客がApp StoreやGoogle Playから入手できるようにしたりすることを、簡単にできるようにするサービス「mySalesforce」を用意。デザインを統一しつつ、ユーザーごとに表示内容を変えられるユーザーインタフェースを簡単に開発できる「myLightning」も来年以降、本格的に提供していく。
これら一連のサービスは2017年11月上旬、米サンフランシスコで開催した年次カンファレンス「Dreamforce 2017」で発表済み。カンファレンスでは、業務改革や新ビジネスの立ち上げをSalesforceで進める、ビジネス現場の人材を「Trailblazer(トレイルブレイザー)」と定義。一連のサービスはこのTrailblazer向けに提供していくものと位置付けている。
「Trailblazerは開発者だけでなく、ITに詳しくない企業の社員を含む。Trailblazerの誰もがパーソナライズしたアプリを簡単に開発できるようにしていく」と、セールスフォース・ドットコムの伊藤哲志マーケティング本部 プロダクトマーケティング シニアマネージャーは説明する。