北海道庁の出先機関である石狩振興局は2017年11月22日、「IoTの活用による農山漁村の灯油難民防止等に向けた地域実証実験」を2017年12月から2018年5月頃まで実施すると発表した。この実証実験では、灯油の配送システムの効率化や、配送業務の負担軽減などを検証する。石狩振興局のほか、京セラコミュニケーションシステム(KCCS)、さくらインターネット、新篠津村役場、JA新しのつ、IoT(インターネット・オブ・シングズ)のデバイスやシステム構築を手がけるゼロスペックが参加する。

「IoTの活用による農山漁村の灯油難民防止等に向けた地域実証実験」の概要
「IoTの活用による農山漁村の灯油難民防止等に向けた地域実証実験」の概要
(出所:石狩振興局)
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 実験は北海道新篠津村の一部地域で進める。実験に参加する農家の灯油タンクにスマートセンサーを設置。灯油タンクの残量を1日4回測定し、4回分の測定データを毎日、LPWA(ローパワー・ワイドエリア)ネットワークまたはLTEネットワークを使ってJA新しのつに設置したPCに送信する(残量に急激な変化があった場合は不定期でも送信)。これにより灯油タンク内の残量を可視化して、残量を基にしたタンクからの灯油漏れの確認や、灯油の消費の有無を基にした見守りなども試すという。

 またスマートセンサーから取得したデータを使って、配送タイミングや配送ルートを効率化できるかなども検証する。最終的には、灯油配送計画の自動作成を視野に入れている。この実証実験において、LPWAネットワークはKCCSのsigfox、LTEネットワークはさくらインターネットのsakura.ioサービスを使用。スマートセンサーと全体システムはゼロスペックが開発する。