データセンター事業やクラウド事業を手掛けるIDCフロンティアと、AI(人工知能)開発企業のデータアーティストは2017年11月30日、AIを搭載したクラウド型プライベートDMP(データマネジメントプラットフォーム)の「Pleasure Data」を共同開発し、同日より提供開始すると発表した。

Pleasure Dataの画面。サイト利用者の行動情報をAIが分析し、関連度が高いと思われる最大5つのペルソナ(顧客像)を表示
Pleasure Dataの画面。サイト利用者の行動情報をAIが分析し、関連度が高いと思われる最大5つのペルソナ(顧客像)を表示
(出所:IDCフロンティア)
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 Pleasure Dataはクラウド上に顧客用のデータ分析基盤を用意し、AIを使ってWebサイト利用者の興味や関心を抽出、分析する。「通常、サイト利用動向の収集や分析、可視化は専門知識を持つデータサイエンティストが欠かせない。データ収集・分析基盤の構築と運用のために、人的コストや時間が掛かるのも課題だった」(IDCフロンティアの赤星智子データビジネス本部基盤開発部企画グループリーダー)。

 コンテンツ量などサイトの規模にもよるが、Pleasure Dataを使うことで最短2週間程度でDMPを導入可能とする。分析は基本的にAIがやるため、統計ツールなどを使う必要はない。データアーティストの作左部勇次郎取締役副社長は「メディアやコンテンツ事業者は、分析データを基にコンテンツ企画やLPO(ランディングページ最適化)、効果的な広告配信などを進められる」と利点を挙げる。

 総合美容情報サイト「Yahoo! BEAUTY」を運営するTRILLなど数社が、既にPleasure Dataの実証実験を進めているという。赤星グループリーダーは「1年間で数十社の導入を目指す」と話す。Pleasure Dataの利用料は月間のページビューが5000万以下の場合、月額95万円(税別)だ。