米スラック・テクノロジーズは同社のビジネスチャットサービス「Slack」の日本語版サービスを2017年11月17日午前10時に開始した。メニューを全て日本語化したほか、日本ユーザーの使い方に合わせて「メッセージ送信ボタン」を設けるなど、独自のユーザーインタフェースの改変も施した。

 サービスのURLやアプリは従来のまま、日本語で利用できるようにした。Web版では、ログイン後に新たに日本語を選択できる案内が表示され、言語設定にも新たに日本語が加わる。

 スマートフォンで利用できるアプリ版やパソコン向けに用意したクライアントソフト版も、バージョンアップせずに設定画面で日本語の選択項目を追加している。日本語化と合わせて、電話やメールなどによる日本語サポートも開始した。

デスクトップ版の日本語画面
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モバイル版の日本語画面
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 Slackは全世界で900万件以上の週間アクティブユーザー(WAU)を抱え、世界でユーザー数が多いビジネスチャット/メッセンジャーのサービスの一つだ。無料で使い始められ、ログ管理などを加えた有料版も用意する。フリーミアム型の課金モデルで導入しやすいほか、使い勝手の良さや業務を自動化するボット開発のしやすさなどから、特にITリテラシーの高い社員が多い企業に支持されている。

 日本でもネット企業やIT関連企業を中心に英語版のまま導入する企業が増えている。DeNAやグリー、サイバーエージェントなどで導入実績があり、特に開発・運用系のチームではボットを開発し、運用業務を半自動化してその情報もSlack上で共有するなどの使い方が広がっている。

 スラック・テクノロジーズによると、現在の日本でのWAUは44万6000件。米国、英国に次ぐ3番目の市場となっている。日本でのユーザー獲得目標は非公開としているが、今回の日本語化でユーザー獲得のペースが加速することを期待するとした。

 日本での有料版の提供料金は、スタンダード版が1ユーザー当たり月額850円、機能がより豊富なプラス版が同1600円である。