NTT西日本、市販スマホ/ビデオカメラでデータ収集しAI技術で道路路面診断の実験

2017/11/14
田中 正晴=日経ニューメディア (筆者執筆記事一覧

 NTT西日本は2017年11月13日、効率的な道路メンテナンスサイクルの確立に向けて「AIを活用した道路路面診断サービス」のトライアルを実施すると発表した。トライアルは、NTT西日本とICT連携協定を締結している堺市の道路で実施する。

 トライアルでは、道路路面性状に関する「データ収集」「データ解析・診断」「解析・診断結果の視える化」を実施する。

 「データ収集」では、市販のビデオカメラとスマートフォンを一般車両に設置し走行することで、道路路面性状を解析・診断するためのデータ(加速度、角速度、路面画像)を収集する。

 「データ解析・診断」では、収集したデータをNTTグループが持つフィルタリング技術やAIを活用して解析を行い、路面点検における主要な指標である「平たん性(乗り心地IRI」「ひび割れ」「わだち掘れ」に準拠する値を算出する。加えて、診断結果をもとに、予防保全対策を考慮した最適な修繕計画策定をサポートする。

 IRI(International Roughness Index:国際ラフネス指数)とは舗装の平たん性を客観的に評価する尺度で、IRIの算出は、JIPテクノサイエンスと連携して実施する。ひび割れの検出にはNTTコムウェアの「Deep Learning画像認識プラットフォーム(Deeptector)」を活用する。わだち掘れとは道路走行部分に縦断方向に連続して生じた凸凹のこと。トライアルでは、AIを活用したわだち掘れ検出・解析技術の開発および性能向上を実施する。

図1●サービスの概要
(出所:NTT西日本)
[画像のクリックで拡大表示]

 舗装道路の多くは、高度成長期に集中的に整備された。こうした道路は建設後40年以上が経過し、老朽化が進行している。このため、広範囲な道路の点検、診断にかかるコストや労力が大きな課題となっているという。今回のような仕組みを採用すると、高価な機材や専用車両が不要となり、点検コストの低減が期待できる。また、損傷状況の自動検出により、目視点検に対する点検効率の向上も期待できる。

 NTT西日本は、トライアルで得られたノウハウや道路管理者の意見・要望を反映し、道路路面診断サービスの早期商用化を目指す。将来的には、AIのさらなる活用により路面表示や標識、街路灯など、様々な道路構造物の画像データ取得や異常検出にメニューを拡大し、幅広い道路インフラの維持管理効率化に向けたサービスの開発を目指す。

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