三井住友フィナンシャルグループと三井住友銀行は2017年11月13日、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)による自動化で約200業務、40万時間分の業務量削減を実現したと発表した。RPA導入には大手コンサルティング会社5社がパートナーとして参加した。

 三井住友フィナンシャルグループと三井住友銀行は2017年4月にグループ全体の生産性向上や業務効率化などを進める業務改革室をそれぞれ設置、重点施策の1つとしてRPAを活用した業務改革を進めている。

 RPAの導入によって、これまでにコンプライアンス・リスク関連、業界情報や顧客取引情報の収集など約200業務、40万時間分の業務量削減を実現したという。導入にあたっては、三井住友銀行の本部にある部署を対象に、業務を可視化して無駄な業務の廃止や重複する業務の集約を進めたほか、一部の業務はその業務プロセスをRPAに適合するように見直したという。

 RPA製品には米UiPath社のRPA製品を採用。従業員自らがRPAを簡単に開発できるデスクトップ型RPAと、24時間365日稼働して大規模処理が可能なサーバー型RPAを共存させたという。

 今回の取り組みは、アクセンチュア、EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング、デロイトトーマツコンサルティング、日本アイ・ビー・エム、PwCコンサルティングおよびUiPathがパートナーに加わった。社内外の専門知識を集めた共同CoE(Center of Excellence)と呼ぶ方式によって、ノウハウの早期確立や品質の高い開発・運営管理体制の構築を実現したという。

 三井住友フィナンシャルグループと三井住友銀行は2017年度末までに100万時間、3年以内に約1500人分の業務量に当たる300万時間以上の業務削減を実現して人員余力を捻出する計画。2019年度末までの3カ年で500億円、中期的に1000億円のコスト削減を目指すとしている。