NTTは2017年11月10日、2017年4~9月期連結決算(米国会計基準)を発表した。売上高は前年同期比2.5%増の5兆6648億円、営業利益は同5.3%増の9752億円と、増収増益だった。売上高、営業利益ともに過去最高。通期予想に対する進捗率は売上高が48.2%、営業利益が61.3%と好調に推移している。通期予想の上方修正こそしなかったが、鵜浦博夫社長は「上回る着地を目指したい」とした。

 事業セグメントごとの状況を見ると、主力の移動通信事業(NTTドコモ)は減益を記録したが、地域通信事業(NTT東西)、長距離・国際通信事業(NTTコミュニケーションズやディメンションデータ)、データ通信事業(NTTデータ)がそろって増益と好調だった。移動通信事業の減益は当初の計画通りで、通期では増益の見通し。営業損益が赤字続きだったディメンションデータも黒字転換し、「長距離・国際通信事業は目標を上回る利益を目指せる」(鵜浦社長)と手応えを示した。

NTTの2017年4~9月期決算のセグメント別の状況
NTTの2017年4~9月期決算のセグメント別の状況
出所:NTT
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 決算説明会では海外事業の強化に向け、NTTコミュニケーションズ(NTTコム)とディメンションデータ(DD)のクラウドサービスを統合すると明らかにした。まずDD配下にクラウドサービスの卸会社を設立。2018年3月をめどに資産や人員の移行準備を進め、最終的にNTTコム子会社に移管する予定とした。DDから新会社に移行する人員は370人程度を見込む。

NTTコミュニケーションズとディメンションデータのクラウドサービスの統合スキーム
NTTコミュニケーションズとディメンションデータのクラウドサービスの統合スキーム
出所:NTT
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 今後、クラウドサービスの開発と運用はNTTコムが一元的に担い、DDやNTTデータなどのグループ各社に卸提供していく。クラウド関連の年間の開発投資はNTTコムが百数十億円規模で、DDがその半分程度。開発や運用の集約で効率化を図れるだけでなく、「新しいサービスを生み出しやすくなり、競争力が高まる」(鵜浦社長)と期待する。