京王電鉄と京王電鉄バスは2017年11月8日、スマートスピーカー「Amazon Echo」シリーズによる運行情報配信や空港連絡バス予約サービスを始めると発表した。11月13日の週に予定されるEchoシリーズの出荷開始より順次サービスを始める。

Amazon Echo用「京王スキル」の紹介サイト
Amazon Echo用「京王スキル」の紹介サイト
(出所:京王電鉄)
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 京王グループはEchoシリーズで使える2種類の「スキル」を開発した。「京王スキル」では、鉄道路線の運行情報や京王グループ店舗のセール・イベント情報などを提供する。例えば、「アレクサ、京王の運行情報を教えて」と話しかけたら、「京王線・井の頭線は平常通り運転しています」と返す。

 「ハイウェイバススキル」では、空港連絡バスの空席照会や予約ができる。「アレクサ、ハイウェイバスを開いて」と話しかけると、「行き先の空港名とターミナル名をお話しください」「どちらから乗車されますか」「ご乗車の人数は」「ご希望の到着時間は」などと聞いてくる。すべて回答して最後に「予約します」と言うと予約が完了する。

 事前に京王グループが運営するバス予約サイト「ハイウェイバスドットコム」の会員登録が必要になる。当初は、利用動向と動作の確実性を見極めるため、京王電鉄沿線の駅と羽田・成田空港を結ぶ空港連絡バス路線のみに対応する。今後、他路線も予約できるようにする。

 ハイウェイバスドットコムはバス予約サービス大手で、自社便だけでなく名鉄バスや西日本鉄道など全国約40社の高速バス路線を取り扱っている。京王グループは今後、グループ外のバス会社にもEchoシリーズによる予約機能の活用を呼びかける。

 京王電鉄IT管理部によれば、2017年6月ごろからAmazon Echoシリーズに対応するスキルの開発に着手したという。「米国で圧倒的なシェアを持つこともあり、新たなサービスの提供手段として有力だと考えた」(IT管理部)。

 開発当初は日本語の発声がたどたどしかったり、駅名の「高尾山口(たかおさんぐち)」を「たかおやまぐち」と読み間違ったりする問題があった。多くの会話データを蓄積するなかでAI(人工知能)による学習が急速に進んだという。