日本マイクロソフトは2017年11月1日、Office 365とWindows 10を組み合わせたクラウドサービス「Microsoft 365」で、新たに中堅中小企業向けの「Microsoft 365 Business」の提供を始めた。既存の最上位版「Microsoft 365 Enterprise」に比べて機能を絞り込む代わりに価格を抑えた。

日本マイクロソフトの三上智子業務執行役員Windows&デバイスビジネス本部本部長
日本マイクロソフトの三上智子業務執行役員Windows&デバイスビジネス本部本部長
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 同社の三上智子業務執行役員Windows&デバイスビジネス本部本部長は「中堅中小企業の業務に必要なものを凝縮してパッケージ化した。価格も『お得』にしている」と説明した。

 参考価格は1ユーザー当たり月額2180円(税別)。中堅中小企業での利用が多い米グーグルの「G Suite」(月額600~3000円)などを意識して価格を設定したとみられる。

 Microsoft 365 Businessを契約すれば、Windows 10の各種セキュリティ管理機能と、Office 365のWord、Excel、PowerPoint、OutlookなどのOfficeアプリ、1テラバイトのクラウドストレージを利用できる。Windows/iOS/Android用のOfficeアプリについては1ユーザー当たりPC5台、タブレット5台、スマートフォン5台の最大15台までインストールできる。

 Microsoft 365 Enterpriseとの大きな違いは、最大ユーザー数が300人に制限されること。加入電話網と連携した電話会議機能(クラウドPBX)や、データ分析機能「MyAnalytics」なども使えない。

FiNC(フィンク)の小島かおり取締役CISO情報システム本部長(左)
FiNC(フィンク)の小島かおり取締役CISO情報システム本部長(左)
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 健康管理サービスのFiNC(フィンク)はMicrosoft 365 Businessのプレビュー版を試用した。同社の小島かおり取締役CISO情報システム本部長は「ヘルスケア分野の企業としてセキュリティを重視している。これまではデバイス管理ツールとしてMicrosoft Intuneを使っていた。Intuneと同様のセキュリティ機能がMicrosoft 365 Businessに統合されており、Intuneを併用するのに比べてコスト削減になるうえ、使い勝手も向上した」と評価した。

 Microsoft 365はもともと日本マイクロソフトが中堅中小企業の攻略を目指して2017年8月に投入した新サービスである。Microsoft 365 Businessの提供によってラインアップが出そろい、販売活動が本格化する。