顧客中心主義経営の普及と高度化に取り組んでいる一般社団法人CRM協議会は2017年11月1日、「2017 CRMベストプラクティス賞」の受賞企業・団体16組と、「2017 CRM奨励賞」受賞企業1組を発表した。企業・団体におけるCRM(顧客関係管理)の取り組みの中からベストプラクティスを見い出し、同協議会が表彰するもの。同賞の授与は2004年から行われている。

 「2017 CRMベストプラクティス賞」を受賞した企業・団体名、および取り組み(モデル)の内容は以下の通り(50音順)。なお昨年2016年に続いて受賞した企業・団体もある。CRMは単年度の活動ではなく、各年の進捗結果を基に応募してくる企業・団体があるためだ。

SMBC日興証券
チャットボット導入・先行モデル(資産形成層に対するタッチポイント策としてオペレータとの協働によるチャットボットを導入)
SBI証券
メールによる顧客対応の品質強化モデル(コールセンターの電子メール対応における回答品質の向上)
サトーホールディングス
予防保守によるダウンタイム削減モデル(産業用ラベルプリンタの稼働を見守るリモートメンテナンスの強化)
ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ/富士通(スポーツ・文化 イベントビジネス推進本部)
バスケットボールファン育成イニシャルモデル(スマートフォンを活用した「応援アプリ」で来場者の満足度を向上)
セゾン情報システムズ(HULFT事業部)
利用パターン分析によるソフト品質向上モデル(ソフト製品の品質を高め、障害発生率を前年度比20%減らし、顧客満足度を7%向上)
チューリッヒ生命(チューリッヒ・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッド日本支店)
100日改善CRM実現モデル(100日単位で改善を実施、資料請求から申し込み手続きまでを顧客の視点に基づき改善)
津市
情報公開による公共資産の有効活用モデル(既存施設の活用、機能の共用化、遊休土地・建物の売却・貸付、空きスペースの活用などを実施)
東急コミュニティー(カスタマーセンター)
3D画像による顧客との問題共有モデル(顧客の建物の映像を3Dデータに加工、建物の修繕履歴などと連携可能に)
豊島区
年中無休のワンストップ区民コールセンターモデル(年中無休の代表番号一体型コールセンターを活用)
ビジョン
Webサービス強化モデル(ルーターレンタルの顧客からの問い合わせにチャットやWebを利用して応対)
フォーラムエイト(開発部門)
開発者と業界ステークホルダーとの対話強化モデル(土木・建設用CADの紹介セミナーやユーザー会合に開発担当者が出向き、直接対話)
ブロードリーフ
消耗品のアウトバウンドコールによる受注改善モデル(顧客である自動車整備工場や部品商に向けて、注文が入る前にコールセンターから連絡する活動を展開)
ホンダオート三重
作業プロセス共有による満足度向上モデル(自動車の鈑金塗装の作業進捗を一元管理する仕組みを構築)
みずほ証券
顧客視点の行動マネジメント実現モデル(ニーズの把握、アプローチ件数の最大化、顧客情報の蓄積と継続フォローを実施)
三井住友海上火災保険(コンタクトセンター企画部)
VOCと関連データ活用モデル(顧客に加え、オペレーターの声に基づき業務改善を進展)
Rakuten Direct(カスタマーサポートグループ)
VOC分析のコスト削減と満足度向上両立モデル(問い合わせ発生率を削減、顧客満足度スコアを向上)

 また、今後の成果が期待される事例を表彰する「2017 CRM奨励賞」は千葉県で葬祭事業を手がける十全社が受賞した。