米Microsoftは2017年10月17日(米国時間)、高性能ノートPCの新製品「Surface Book 2」を発表した(写真1)。Surfaceを担当するPanos Panayコーポレート・バイス・プレジデントは「(2015年に発売した)初代Surface Bookと比べて3~5倍、MacBook Proと比べて2倍パワフルだ」と主張する。米国や日本など10カ国で11月16日から出荷を開始する。日本での価格は20万664円から。

写真1●Surface Book 2
写真1●Surface Book 2
左が15型モデル、右が13.5型モデル
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 Surface Book 2はディスプレイ部とキーボード部が着脱可能な「2in1」で、ディスプレイは単体でWindowsタブレットとして利用できる。キーボード部には米Nvidia製GPU(グラフィックス・プロセッシング・ユニット)や大容量バッテリーが搭載されており、ディスプレイ部とキーボード部を接続すると、3次元CGの作成やGPUを使ったディープラーニング(深層学習)などが実行できる高性能ノートPCとして利用できるだけでなく、内蔵バッテリーによって最大17時間の連続稼働が可能だ。

 2015年に発売した初代Surface Bookはディスプレイサイズが13.5型だけだったが、今回発表した2代目は13.5型に加えて15型を用意した。13.5型モデルは初代Surface Bookと比べて3倍の性能を、15型モデルは初代と比べて5倍の性能を有するという。ただし日本では、13.5型の発売のみが告知されている。

画面の縦横比は初代同様「3:2」

 13.5型モデルの場合、プロセッサは米Intelの第8世代「Core i7-8650U」(クアッドコア)または第7世代「Core i5-7300U」(デュアルコア)を搭載する。プロセッサを搭載するディスプレイ部はファンレスとなっており「Intelのクアッドコアプロセッサを搭載したファンレスPCはこれが初めてだ」(MicrosoftのPanay氏)としている(写真2)。キーボード部に搭載するGPUはファンを使って冷却する。ディスプレイは初代Surface Bookと同じく縦横比3:2で、解像度は3000ドット×2000ドットである。

写真2●Surface Book 2の内部
写真2●Surface Book 2の内部
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 メモリー容量は8ギガまたは16ギガバイトで、SSD容量は256ギガ~1テラバイト。GPUはCore i5モデルはプロセッサ内蔵のみ、Core i7モデルは「GeForce GTX 1050」をキーボード部に搭載する。OSには「Windows 10 Pro」を搭載。Microsoftが10月17日に公開した「Fall Creators Update」があらかじめ適用されている。

 タブレットとして利用できるディスプレイ部には、500万画素のフロントカメラだけでなく、800万画素のリアカメラも搭載するほか、加速度センサーやジャイロスコープなども搭載する。そのためMicrosoft製のアプリケーション「Mixed Reality Viewer」をSurface Bookで使用すると、リアカメラで撮影した現実の風景にCGを重ね合わせる「複合現実(Mixed Reality、MR)」が実現できる。

写真3●現実の風景にCGを合成する「Mixed Reality(MR)」
写真3●現実の風景にCGを合成する「Mixed Reality(MR)」
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 MicrosoftのMRは専用ゴーグルを使用するのが一般的だが、Mixed Reality Viewerを使用すると、Surface BookやSurfaceなどのWindowsタブレットでMRのコンテンツを視聴できるようになる。