NTTデータとNTTデータ東海は2017年10月13日、三重県の地方銀行である百五銀行に対して、PCを使った定型業務を自動化する技術であるRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の試行導入を始めると発表した。

 試行導入は、2017年10月16日から、NTTデータが販売する国産RPAソリューション「WinActor」を使って進める。

 百五銀行は2016年4月から本格的に働き方改革を進めてきた。行内の労働生産性を高める施策を講じていくうちに、デスクワークを自動化するRPAに対するニーズが高まってきたという。

 そこで2017年5月から9月にかけて、本部事務部門の2業務を対象に、WinActorの事前検証を実施した。具体的には、「顧客リストを基に、2種類のサブシステムからデータを取得して、Excelに転記する」といった「格付自己査定業務」の一部分と、「サブシステムから抽出したデータをExcelに転記するなどしてから集計し、報告書を作成する」という「投資信託集計報告業務」の一部分だ。

 RPAを適用したところ、格付自己査定業務では、それまで人手で14分かかっていた作業を3分で終えることができた。年間で1283時間の人手による作業を削減する効果が見込めるという。一方、投資信託集計報告業務のほうも、人手のときは月初に作業が集中していたが、RPAの導入で作業時間が減り、業務量の平準化が図れたという。

 これらの成果を受けて、百五銀行は10月16日からの試行導入で、他の業務にRPAを適用していく。NTTデータとNTTデータ東海は、百五銀行の導入実績を踏まえて、他の金融機関に対する業務改革や働き方改革の支援につなげていく予定だ。