楽天とローソンは2017年10月6日、福島県南相馬市においてローソンの移動販売車と楽天のドローンを組み合わせた商品配送の試験運用を開始すると発表した。2017年10月31日からローソンの南相馬小高店を拠点に実施する。両社によれば国内初の取り組みという。

 発表会でローソンの竹増貞信社長はいわゆる「買い物難民」の問題を念頭に置き、「大幅な利益を期待するものではないが意義のある取り組み」と話した。

左から、楽天の三木谷浩史会長兼社長、南相馬市の桜井勝延市長、ローソンの竹増貞信社長
左から、楽天の三木谷浩史会長兼社長、南相馬市の桜井勝延市長、ローソンの竹増貞信社長
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 試験運用に当たり、ローソンは同店舗を拠点に週2回の移動販売を始める。そのうちの1回に限定して楽天のドローンが店舗と販売車両の間を飛行して商品を搬送する。配送するのは、「からあげクン」など温度管理の都合で販売車両に乗せられない商品である。配送地域は南相馬市小高区内に限る。

 移動販売先で店員は買い物客から商品の注文を受けると、店舗に電話で知らせる。7分ほどでドローンが商品を運んでくる。支払いは現金に限るが、将来的に電子マネーやクレジットカードにも対応する。ドローンは安全のため主に近くの河川上空を飛び、一度に運べる商品はおよそ2kgまでという。試験運用は半年間実施する予定だ。