第一三共は2017年10月6日、患者や医療関係者からの問い合わせを受け付けるコールセンターで人工知能(AI)を活用すると発表した。問い合わせに対する適切な回答をAIがコールセンターの担当者に提案するシステムを構築し、2018年4月に利用を開始する。AIのエンジンには米IBMの「Watson」を利用する。

 問い合わせに対する照会対応業務を受け持つ「製品情報センター」に導入する。コールセンターの担当者が問い合わせ内容を復唱すると、文字データに自動的に変換し、AIに問い合わせる。過去の回答実績を学習したAIは最も適切と思われる回答を一つ提案する。患者や医療関係者が必要とする情報を即座に回答できるようにすることを目指す。回答案が最適でないと担当者が判断した場合は、結果をAIにフィードバックして学習させる。

 第一三共は2016年11月から2017年7月に木村情報技術(佐賀市)と共同で、抗凝固剤エドキサバンを対象にAIを利用したコールセンター支援システムを実証実験した。想定以上の効果が得られたため対象を全製品に広げた。