中国ハイアールの日本子会社、アクアは2017年10月5日、コインランドリー向け洗濯機でIoT活用を推進すると発表した。会員カードやクーポンの発行、店内の洗濯機の操作などができる端末と、ネットワーク接続型の業務用洗濯機を開発した。2017年12月から「Cloud IoTランドリーシステム」として全国のコインランドリーに展開する。同日に開いた発表会でアクア ランドリーグループの秋馬誠マネージャーは「ハードウエアのメーカーからIoTのプラットフォーム提供者になる」と述べた。

アクアが開発したネットワーク接続型の洗濯機と操作端末
アクアが開発したネットワーク接続型の洗濯機と操作端末
[画像のクリックで拡大表示]

 アクアは3段階に分けてIoT活用を推進する計画。2017年12月に利用を始める第1段階では、洗濯機の状態をネットワーク経由で監視できる既存システムを社内のサーバーからクラウドサービスに移行し、機能追加や利用画面の改良を施した。新システムと接続して使うことを想定して新型の端末と洗濯機を開発した。無人のコインランドリーで会員カードの発行やカードへのチャージ、頻繁に利用する顧客へのクーポン発行、天候や時間帯に合わせた遠隔での料金変更などができる。後から追加された新しい洗濯メニューを顧客が端末で選んで洗濯機を動かすことも可能になった。

 第2段階ではスマートフォンのアプリや電子マネーによるキャッシュレス決済に対応させる。異業種のポイントサービスとの共通化も検討する。最終の第3段階では、利用実績や洗濯機の稼働状況などの大量データを基に混雑状況を予想するなど、データやネットにつながった機器を活用した各種の新サービスを検討していく。