NTTコミュニケーションズの庄司哲也社長は2017年10月5日、同社のイベント「NTT Communications Forum 2017」で基調講演を行った。人工知能(AI)やIoT(インターネット・オブ・シングズ)関連のサービスの拡大など、重点的に力を入れる取り組みを紹介した。

 「AI、IoTの導入で既存のビジネスプロセスを高度化して効率を上げたり、新たなビジネスモデルを創出したりして顧客のデジタルトランスフォーメーションに貢献していく」――。NTTコミュニケーションズの庄司社長はこう述べ、今後強化していく取り組みとして「インフラストラクチャの構築」「SDx+MやAI、IoTのサービスの拡大」「パートナーとの協業の推進」の3つを挙げた。

NTTコミュニケーションズの庄司哲也社長
NTTコミュニケーションズの庄司哲也社長
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 1つ目の「インフラストラクチャの構築」は、ネットワークやデータセンター、海底ケーブルなどのインフラサービスを一元的に設計・構築して提供する。

 2つ目の「SDx+MやAI、IoTのサービスの拡大」のうち、「SDx+M」はソフトウエアで仮想化技術を拡張するSDx(Software Defined Everything)と、マネージドサービスを組み合わせたもの。独SAPの大規模なERPシステムをクラウド化し、日本だけでなく米国や欧州など世界で利用できるようにするサービスの例などを紹介した。

 AIについては、NTTグループのAI技術群「corevo」のうち、同社は自然言語処理に関する「COTOHA」やディープラーニングを活用して時系列で分析する「時系列ディープラーニング」の開発に力を入れてきた。COTOHAはチャットボットなど顧客との接点で、時系列ディープラーニングは工場における生産性向上や品質改善などで、それぞれ活用する。

 3つ目の「パートナーとの協業の推進」は、日本マイクロソフトやSAPジャパン、グーグル・クラウド・ジャパンなどとの協業を例に挙げ、「BtoBtoX型」のビジネスを展開していくとする。

 庄司社長は、記者向けの質疑応答で、「1つ目のインフラストラクチャの構築と、3つ目のパートナーとの協業の推進をつなぐ技術が、2つ目のSDx+MやAI・IoTだと考えている」と述べた。

 NTTコミュニケーションズは同日、日本マイクロソフトとの協業の強化を発表。ハイブリッドクラウドをPaaS(Platform as a Service)に拡大し、日本マイクロソフトの「Office 365」とNTTコミュニケーションズのアプリケーションやネットワークを連携させたサービスの提供を本格化していく。このほか、横河電機や横河ソリューションサービスと共同で、AIやIoTを活用した製造業におけるプラント制御の高度化に関する実証実験を開始するとも発表した。