FX(外国為替証拠金取引)事業者など金融事業者を狙ったDDoS(分散型のサービス妨害)攻撃が継続している。2017年9月22日、FX(外国為替証拠金取引)事業者のマネースクウェア・ジャパンと先物取引業を手掛けるコムテックスがそれぞれ攻撃による被害と障害復旧を公表した。

 マネースクウェア・ジャパンは2017年9月22日午前10時ごろから、同社のWebサイトやスマートフォンアプリにログインしにくくなった。アクセスを遮断するなどして同日午後12時35分に障害を復旧。個人情報漏洩はなかったとしている。

DDoS攻撃による影響を報告するマネースクウェア・ジャパン
DDoS攻撃による影響を報告するマネースクウェア・ジャパン
(出所:マネースクウェア・ジャパン)
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 コムテックスは2017年9月21日午前8時ごろから夕方にかけて、オンライン取引の入金サービスが一時的に利用できなくなったが、「9月22日のサービス開始時には正常通りに戻った」(コムテックス)。同社にオンライン取引サービスのシステムを提供する会社がDDoS攻撃を受けたという。

DDoS攻撃による影響を報告するコムテックス
DDoS攻撃による影響を報告するコムテックス
(出所:コムテックスのTwitter公式アカウント)
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 システム提供会社によれば、9月21日午前8時前にハッカーグループ「Armada Collective」を名乗る攻撃者から脅迫メールを受信し、直後にDDoS攻撃が発生したという。脅迫メールにはDDoS攻撃の予告と攻撃を停止する引き換えに金銭を要求する内容が書かれていた。システム提供会社は9月22日午前0時ごろにドメイン名を変更してDDoS攻撃を回避した。

 システム提供会社は証券会社など複数社にサービスを提供している。DDoS攻撃で複数の会社が一時的にサービス提供を利用しにくくなったとみられる。