大手旅行代理店のエイチ・アイ・エス(H.I.S.)は2017年9月21日、仮想通貨「ビットコイン(Bitcoin)」を使った旅行商品の決済サービスを同年9月23日から開始すると発表した。旅行業界でBitcoinを使った決済サービスは「初めて」(同社)の事例。首都圏内にあるエイチ・アイ・エスの38店舗に決済システムを導入し、1会計当たり上限200万円相当の決済が可能。同社の新宿本社営業所では9月21日から先行導入を開始した。

H.I.S.関東事業部の吉野真司販売管理グループリーダー(左)とbitFlyerの加納裕三社長
H.I.S.関東事業部の吉野真司販売管理グループリーダー(左)とbitFlyerの加納裕三社長
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 Bitcoinによる決済サービスはH.I.S.が取り扱う旅行パッケージが対象になる。店頭の窓口で旅行商品を選び、タブレットに表示されるQRコードを顧客が自身のスマートフォンのカメラを使って読み取ることで決済が完了する。

Bitcoin決済サービスの様子
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 H.I.S.関東事業部の吉野真司販売管理グループリーダーは、Bitcoinについて「決済手段が増えることで顧客の利便性が高まる」と述べ、新規顧客の獲得にもつなげたいとした。今後取引窓口を増やすことで、旅行先でオプション商品を追加購入するといった利用法も想定する。

 bitFlyerの加納裕三社長は「国に帰属しない通貨であるBitcoinは旅行と親和性が高い」と述べ、中国政府の政策などで生じたBitcoinの価格変動についても「影響は限定的だった」と説明した。