トレンドマイクロは2017年9月21日、国内外のセキュリティ動向を調査した報告書「2017年上半期セキュリティラウンドアップ」を公開した。最大のトピックはランサムウエアの脅威だ。特に5月中旬に猛威を振るった「WannaCry」が目立った。2017年上半期(1~6月)の国内検出台数は、ランサムウエアの中でトップだった。

 同報告書によると、トレンドマイクロの2017年上半期のランサムウエアの国内検出台数は2万1600台。WannaCryの登場は5月中旬にもかかわらず、2カ月足らずで検出台数が6700台を超えた。2017年上半期のランサムウエア検出台数の31%を占める。

ランサムウェア検出台数の種別割合(日本:2017年1~6月)
ランサムウェア検出台数の種別割合(日本:2017年1~6月)
(出所:トレンドマイクロ)
[画像のクリックで拡大表示]

 ランサムウエアは新種が次々登場している。同報告書によると、2017年4~6月には四半期単位で過去最大となる110種が確認された。ランサムウエアはさまざまな悪意ある機能を追加しており、脆弱性を突いてネットワーク経由で感染を拡大するタイプは「最悪の存在」だったと分析する。その代表格がWannaCryや、欧州で被害を拡大させた「Petya」だ。