アマゾンジャパンは2017年9月20日、法人・個人事業主向けのEC(電子商取引)サイト「Amazon Business」を日本で提供開始した。請求書払いや見積書の作成、承認ルールの設定といった日本独自の機能を備える。

 Amazon Businessは一般消費者向けのAmazon.co.jpと同じ2億種類以上の商品に加え、法人限定商品を購入できる専用サイトだ。登録は無料。一部商品では法人向けの割引価格や数量割引を適用する。Amazonマーケットプレイスに商品を出品している販売事業者は、簡単な手続きでAmazon.co.jpと同様にAmazon Businessに商品を出品できる。

 米国では2015年4月にAmazon Businessを提供済み。米アマゾン・ドット・コムのスティーブ・フレーザー バイスプレジデントによると、「初年度だけで10億ドルの売り上げがあった。2017年夏に米国の利用顧客は100万社を超え、8万5000超の事業者が商品を出品している」という。

左からアマゾンジャパンの星健一ディレクターとジャスパー・チャン社長、米アマゾン・ドット・コムのスティーブ・フレーザーバイスプレジデント
左からアマゾンジャパンの星健一ディレクターとジャスパー・チャン社長、米アマゾン・ドット・コムのスティーブ・フレーザーバイスプレジデント
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 米国での成功を受け2016年12月にドイツ、2017年4月に英国でもサービス提供を開始している。日本では2017年3月にテスト運用を開始しており、「既に数千社の企業が利用している」(アマゾンジャパンの星健一ディレクター)。

 テスト運用で得たユーザーの声から、日本の商習慣や税制に応じた独自機能を追加した。クレジットカード払いや代金引換など通常の支払い方法に加え、月末締めの請求書払いができる。星氏は「複数の販売事業者からの請求書を一つにまとめられるので、経理担当者の手間を減らせる」と利点を説く。

 社内での事前承認に必要な見積書をPDFでダウンロードできる機能や、税引き価格の表示機能も日本独自の機能として盛り込んだ。部門や購入品目などの切り口で購買を分析したり、レポートを作成したりする機能も備える。期間限定特典として最短当日配送の「お急ぎ便」や、着荷日時指定便を無料で利用可能とした(終了時期は未定)。