アクロニス・ジャパンは2017年9月20日、個人向けバックアップソフト「Acronis True Image 2018」を発表した。システム稼働中のドライブ全体をバックアップする機能や未知のランサムウエアを検出する機能を追加するなど、基本機能とセキュリティを強化した。同日にオンライン販売を始め、10月13日にパッケージ版を販売する。

アクロニス・ジャパンの個人向けバックアップソフト「Acronis True Image 2018」
アクロニス・ジャパンの個人向けバックアップソフト「Acronis True Image 2018」
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 True Imageは、ファイルだけでなく、ドライブの内容をイメージファイルとして丸ごと複製して保存できるバックアップソフト。True Image 2018では、バックアップの基本機能、ランサムウエア対策機能、モバイル機器のデータ保護、SNSデータのオンラインバックアップ機能などを強化した。アクロニス・ジャパンの大岩憲三社長は「派手な新機能はないが、品質と完成度を高めたバージョン」と位置付ける。

アクロニス・ジャパンの大岩憲三社長
アクロニス・ジャパンの大岩憲三社長
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 バックアップの基本機能では、OSの起動ドライブを稼働中にイメージバックアップできる機能を追加した。OSを再起動することなくバックアップを完了できるようになった。データの保護以外にも、HDDをSSDに換装するようなドライブ移行の手間を省ける。イメージファイルは米マイクロソフトの仮想化技術「Hyper-V」の仮想ドライブへの変換が可能で、物理PCから仮想マシンへの移行にも生かせる。

 ランサムウエア対策機能は、データを勝手に暗号化して身代金を要求するランサムウエアの検出能力を向上させた。具体的には、米グーグルが運営する「VirusTotal」や米パロアルトネットワークスなどから検体を入手し、ランサムウエアの特徴を機械学習させる。学習済みモデルは随時True Image 2018に配信され、未知のランサムウエアの検出に生かす。

 モバイル機器のデータ保護は、スマートフォンやタブレットのデータをPCやNASに保存する機能を用意する。iOS 8以降およびAndroid 4.1以降のモバイル端末を台数無制限でバックアップ可能だ。

 SNSデータのオンラインバックアップ機能は、従来のFacebookデータに加えてInstagramの写真やコメントなどのユーザーデータをバックアップ/復元の対象に加えた。クラウドストレージの利用権が付属するAdvanced版とPremium版で利用できる。

 動作環境は、Windows XP SP3/7 SP1/8/8.1/10/Home Server、Mac OS X 10.9.5以降。

 価格は買い切りの「Standard」版が5480円から。年間契約で250Gバイトのバックアップ用クラウドストレージが利用できる「Advanced」版が5480円から、同1Tバイト容量でブロックチェーンによるファイルの認証が可能な「Premium」版が1万980円から。パッケージ版の提供はStandard版のみとなる。