インターネットイニシアティブ(IIJ)はシステム運用のアラート対応を約97%自動化できるサービスを2017年10月2日から提供する。これまで提供していたパブリッククラウド/オンプレミスのハイブリッド環境に向けた運用管理サービス「IIJ統合運用管理サービス」に、コマンドオペレーションを自動化する機能「自動オペレーション」を追加した。同社によれば、自社の運用コストを80%、アラート対応時間の約半分を削減できたという。

IIJ統合運用管理サービスの仕組み
IIJ統合運用管理サービスの仕組み
(出所:IIJ)
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 今回IIJが提供する自動オペレーション機能は、Linux系OSに対するコマンドオペレーションを自動化するもの。障害復旧の適用例としては、Tomcatのプロセス状況を監視してシステムを自動で再起動する、ストレージの使用率を監視して必要に応じて空き容量を増やすいった使い方を想定する。

 障害情報を収集するコマンドオペレーションでは、プロセスの稼働状況をpsコマンドで取得する、システムログをcatコマンドで取得するといった、障害時の対応を早める使い方もある。

 IIJはこれまでもIIJ統合運用管理サービスで、アラートの94%を自動で処理できる機能を提供していた。同サービスの主な機能は、不要なアラートを判定してフィルタリングする要否判定機能や、重複するアラートを束ねる重複排除機能、アラートの対応内容を自動起票する自動処理機能などだ。今回の自動オペレーション機能の追加で、これまで自動化できていなかった残り6%のアラート処理のうち、約半数を自動化できる見込みだ。

 IIJは同社のクラウドサービス「IIJ GIO(ジオ)」を利用する約1600社の顧客企業に向けて自動オペレーション機能を売り込む。機能の利用料はアラート数や対応インシデント数によらず、システム1台(ノード)あたり月額2000円(税別)。IIJの福原亮サービス基盤本部M&Oサービス開発課長は「ハイブリッド環境をSaaS型の運用管理サービスで自由に運用できるのは、長年アウトソーシング事業を手掛けてきたIIJの強みだ」と述べる。