暮らしのIoT(インターネット・オブ・シングズ)を検討する企業連合である「コネクティッドホーム アライアンス」は2017年9月14日、新たに47社が加わり参加企業が77社になったと発表した。

 同アライアンスでは、業界横断で住環境のIoTを検討していく。ユーザー目線に立ち、各社の取り組みをシームレスにつなげる狙いだ。今回新たに参加を表明した企業は、トヨタ自動車や日産自動車をはじめとした自動車系、NTTデータやNECといったIT系など。今後は共同でデバイス開発や実証実験などに取り組んでいく予定だ。

東京急行電鉄の市来利之取締役専務執行役員
東京急行電鉄の市来利之取締役専務執行役員
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 発起企業の代表である、東京急行電鉄の市来利之取締役専務執行役員は、「各社がそれぞれIoTの取り組みを競い合っても仕方ない。ユーザーからすれば、メーカーを問わず様々なものを簡単に安心して使えることが大切だ」と、アライアンスで各社のサービスをつなぐことの重要性を述べた。

 同アライアンスでは、「住まい」「オープンシステム」「データ活用」の3つの研究会を発足。「住まい」研究会では、生活の拠点となる家を中心に家電の制御や見守りなどのサービスを検討していく。家と車、オフィスなどの連携サービスも視野に入れる。「オープンシステム」研究会では、コネクティッドホームにおける技術的な要素を検討する。セキュリティ対策やシステム連携などを含め、共通プラットフォームを構築することが目的だ。「データ活用」研究会では、IoTで収集したビックデータの活用方法や個人情報の取り扱いなどを検討する。

デモの様子。「ディナータイム」と話しかけると、カーテンが閉じ、食卓のライトがつく
デモの様子。「ディナータイム」と話しかけると、カーテンが閉じ、食卓のライトがつく
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 同日の説明会ではデモも披露した。「ディナータイム」と話しかけると、カーテンが閉まり卓上のキャンドルライトが点灯。夕食後に「Good Night(おやすみ)」と話しかけると、全ての照明が消え、米アイロボットのロボット掃除機「ルンバ」が掃除を始める――。スマートフォンの音声認識機能でクラウド上のサーバーに指示を送り、ホームゲートウエイや赤外線リモコンを介して家電をコントロールする様子を見せた。