キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は2017年9月12日、ゲートウエイ型のメールセキュリティソフト「GUARDIANWALL Mailファミリー」の新版を発表した。送信先や添付ファイルが未確認のメールを削除する誤送信防止機能やフリーメールの一括ブロック機能などを追加した。同年10月3日に発売する。

 GUARDIANWALL Mailファミリーは、メールの送受信制御や添付ファイルの暗号化などを施すゲートウエイ型のメールセキュリティスイート。メールフィルタリングの「MailFilter」、添付ファイルの暗号化や宛先のBCC変換を実施する「MailConvert」、メールを保存・検索できる「MailArchive」、これら3製品をまとめた「MailSuite」の4製品で構成する。

GUARDIANWALL MailFilterの誤送信防止機能。「送出」ボタンを押さない場合は一定時間後に削除されるほか、送信先や添付ファイルを未チェックの場合は送出ボタンを押せないように設定できる。
GUARDIANWALL MailFilterの誤送信防止機能。「送出」ボタンを押さない場合は一定時間後に削除されるほか、送信先や添付ファイルを未チェックの場合は送出ボタンを押せないように設定できる。
(出所:キヤノンITソリューションズ)
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 MailFilterにはメールの宛先や添付ファイルの再確認を送信者に義務付ける機能を追加した。具体的には、メールソフトやWebメールで送信したメールを、メールサーバーに中継せずにMailFilterにいったん格納。送信者がMailFilterの管理画面で宛先のチェックボックスをオンにしたり、添付ファイルをダウンロードしたりすると「送出」ボタンが押せるようになる。確認作業をしないメールは一定時間後に削除する。従来もメール送信をいったんとどめる機能はあったものの、一定時間後には送信処理に移るため、送信者が見過ごすと誤送信を防げなかった。

 このほかMicrosoft Officeの文書ファイルに埋め込まれたマルウエアを検知できるようにした。「.js」や「.vbs」といった実行可能なスクリプトファイルを検知対象に加えた。60種類超のフリーメールサービスをキヤノンITSがあらかじめリスト化し、ユーザーが個別に条件として指定する手間を省いている。

 MailConvertでは暗号化の対象にする添付ファイル容量の上限を、従来の25Mバイト固定から任意のサイズで指定できるようになった。MailArchiveでは検索結果をスレッド表示できるようにした。

 共通の強化点としては、これまで添付ファイルとして扱われていたリッチテキストやHTMLメールの装飾データを、テキスト形式のメールと添付ファイルの組み合わせに変換する機能を加えた。SAML 2.0によるシングルサインオンを可能にして、Office 365/Azure Active DirectoryのログインとGUARDIANWALL Mailの認証を一本化した。

 価格は年額課金で、初年度価格はMailFilterが26万1000円から、MailConvertが13万2000円から、MailArchiveが30万9000円から、MailSuiteが50万1000円から(いずれも50ユーザー時、税別)。2年目以降は半額となる。動作環境はLinuxで、Red Hat Enterprise Linux 6.6以上、CentOS 6.6以上。Amazon Web Services(AWS)またはMicrosoft Azure上での動作を保証する。

 仮想化ソフトで動作する仮想アプライアンス版も提供する。VMware ESXi 6.0版の初年度価格は、MailFilterが30万円からなど。2017年11月にHyper-V(Windows Server 2012 R2/2016)版の提供を予定する。