NTTドコモと警視庁は2017年9月12日、インターネットやスマートフォンの利用マナーを児童・生徒に伝える「~みんなで学ぶ~TOKYOネット教室」の模様を公開した。東京・新宿の区立四谷小学校6年の児童63人が参加。ネットに詳しいドコモの講師と犯罪捜査に当たる四谷警察署員が実例を交えて指導した。
ドコモ側の講師として参加したドコモCS ケータイ安全教室の上島あいインストラクターは開口一番「今日は楽しい話をしにきたのではない」と釘を刺し、SNSに投稿した情報が拡散しやすい、いったん流出したら取り消せないといった危険性を訴えた。また、1枚の写真から個人を特定する情報がどれだけ読み取れるかをクイズ形式で解説し、不用意に写真をアップロードしないよう注意を促した。
続いてLINEに代表されるコミュニケーションアプリについて、文字だけのコミュニケーションから読み取れる相手の感情を推し量る難しさをクイズ形式で解説。児童の回答が割れる中で、「気持ちを丁寧に伝える」「打ち間違いに気を付ける」といったテキスト主体のコミュニケーションで重視すべきポイントを紹介した。
警視庁側からは、四谷警察署の尾崎政弘 生活安全課少年第2係長が登壇。まず児童の多くが利用した経験のあるYouTubeやニコニコ動画などの動画共有サイトを例に会場の注意を引いた。いたずらのつもりでアップロードした動画が引き起こした逮捕劇や、ライブのチケット費用を手に入れたいあまりネットで知り合った相手にわいせつ画像を送ったところ第三者に送信・拡散されてしまった事件を紹介した。
後者の事件は相手を検挙できたものの「ネット上の画像は一生かかっても回収できないという悲しい結末を迎えた」(尾崎係長)という。尾崎係長は「人の気持ちを考え、家族を悲しませないように行動してほしい」とまとめ、取り返しのつかないネット犯罪の怖さを強調した。
両講師がインターネットやネットサービスの利用状況を聞いたところ、参加した児童のほぼ全員が手を挙げた。終了後、男子小学生(12)は「ゲームのチャット機能で危険を感じ、すぐに接続を切ったことがある」と体験を語った。
TOKYOネット教室は、これまでドコモや警察が個別に実施していた啓発事業を共同開催することで効果を高めようとする取り組み。今後は都内の各警察署を窓口に、小中高などの団体単位でTOKYOネット教室の開催申し込みを受け付ける。小学生向けが45分、中高生および保護者向けが50分のカリキュラムとなっている。