「日本の製造業にとって、ようやく人工知能(AI)活用の土壌が整った」。CADやIoT(インターネット・オブ・シングズ)プラットフォーム製品などを手掛けるPTCジャパンの西 啓テクノロジープラットフォーム事業部シニアIoTプリセールス・スペシャリストは2017年9月11日、記者説明会の場でこう見解を述べた。

写真●PTCジャパンの西 啓テクノロジープラットフォーム事業部シニアIoTプリセールス・スペシャリスト
写真●PTCジャパンの西 啓テクノロジープラットフォーム事業部シニアIoTプリセールス・スペシャリスト
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 西スペシャリストによれば、これまでAI活用の中心は、ECサイトなど一般消費者向けITサービス事業だった。スマートフォンの普及に伴って消費者の行動データなどを大量に取得できるようになっためだ。そのデータをAIで分析することで、マーケティングや広告に役立ててきた。

 しかし、この数年で企業のAI活用について状況が変わったと西スペシャリストは指摘する。その要因はIoT技術の進展だ。「IoTにより、これまでAI活用と縁遠かった製造業でも大量のデータを収集することが可能になった。このデータを生かし、AIを駆使したデータ分析で製造業が事業変革を実現できる段階に入った」(西スペシャリスト)。

 PTCジャパンは2016年からIoTで収集したデータを分析する「ThingWorx Analytics」の国内販売を開始。主に製造業から問い合わせを受け、これまでに10件を超えるPOC(Proof Of Concept)を実施したという。最も多い導入目的は、「工場の機器や自社製品の故障予知」だと西スペシャリストは話す。