情報通信研究機構(NICT)は2017年9月7日、通常の1000倍となる大型の太陽フレアを9月6日に確認したと発表した。これにより9月8日午後以降、人工衛星による通信やGPS(全地球測位システム)に障害が発生する恐れがあるとして注意を呼び掛けている。

人工衛星で観測された太陽表面の画像(左が可視光、右が紫外線)。右写真右下の光っている箇所が太陽フレア
人工衛星で観測された太陽表面の画像(左が可視光、右が紫外線)。右写真右下の光っている箇所が太陽フレア
(出所:情報通信研究機構)
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 太陽フレアとは、太陽表面で生じる爆発現象のこと。太陽フレアが発生すると、高エネルギーの粒子やX線などが放出される。このため大規模な太陽フレアが生じると、地球周辺の宇宙環境が乱れる可能性がある。

 その結果、通信衛星や放送衛星などの人工衛星で障害が発生したり、GPSを用いた測位の誤差が増大したりする恐れがある。短波通信や送電線にも影響を与える場合があるという。

 今回観測された太陽フレアは、通常の1000倍以上に及ぶ大型のもの。この規模の太陽フレアは11年ぶり。放出された粒子は、9月8日15時から24時にかけて地球に到達すると予想されている。

 このため9月8日午後からは、GPSや人工衛星を使った通信などに影響が出る可能性がある。影響は、今後1週間ほど続くとしている。