毎日放送(MBS)は2017年9月9日、今年で30回目を迎える「音舞台」(日本を代表する名刹と言われるお寺に舞台を設けて実施する音楽企画)を金閣寺で行う。最終リハーサル(ゲネプロ)が行われる前日の8日に関係者を集めて超高品質の映像と音によるライブビューイングを実施する。

 舞台正面に4Kカメラ3台を配置するとともに、放送用に使う4Kカメラ映像も切り替えて使用する。MBS本社ギャラクシースタジオには330インチの大型スクリーン3台を設置して、投射する。3系統(予備を含めると4系統)のHDR 4K映像をHEVCでエンコードし、NTT西日本の光回線(ビジネスイーサワイド)で伝送する。音声はサンプリング周波数48kHz、量子化24ビットという放送波を超える音質のものを、非圧縮信号のまま64チャンネル伝送する。

 音声は演奏や環境音などを多数のマイクで集音する。会場では、客席を包み込むように配置されたスピーカーからあたかも金閣寺で観覧しているかのような臨場感を音でも提供する。

 MBSによると、映像3系統、音声マルチチャンネルを用いたライブビューイングはあまり例を見ない取り組みという。今回は、(1)複数映像を投射、複数音声を再生することの有効性の検証、(2)ライブビューイングにおける効果的な3Dサラウンドのサラウンドデザインの模索、(3)複数映像の一部を切り替えることによる効果と課題の検証、を実施する。

 今回は関係者のみを対象にする実験として実施するが、「ゆくゆくはこういう形で遠隔地で見てもらうことができればと考えている」という。