CBCテレビと中部日本放送は2017年9月6日、シグマクシス、名古屋トヨペット、ベクテ、インターネットイニシアティブ(IIJ)と共同で2017年9月より視聴データと通信から得られる視聴者行動データを利用した新たな放送サービスモデルおよび運用方法のあり方に関する実証実験を実施すると発表した。

 旅の番組を放送し、その番組と連動したモバイル向けの追体験型サービスを提供することで、視聴者を観光に誘致する。平成29年度総務省「ブロードバンドの活用による放送サービスの高度化に向けた技術等検証」の一環として実施する。

 まず、テレビ放送で旅バラエティ番組を放送する。そのあと、スマホ向けにテレビ番組視聴者の番組内容追体験行動につながりやすいサービスを提供し、観光地送客を促進する。加えて、視聴後の行動データやそのデータ取得を通じて得られた視聴者の趣向性をマーケティング情報として企業に提供する新たな放送サービスモデルを検証する。

図●実証実験のイメージ
図●実証実験のイメージ
(発表資料から)
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 具体的には、「楽しいので絶対マネしてください旅」という旅バラエティ番組を放送する。番組では、番組特製のおでかけプランを作成し、プランに沿ってタレントが東海地方の観光スポットの魅力を視聴者に紹介する。知多半島編(9月30日午後4時からの1時間番組)と伊勢志摩編(10月14日午後4時からの1時間番組)を用意する。それぞれの放送後に、モバイルサービスを提供する。

 検証のポイントとして、(1)テレビ番組と連動したアプリケーションサービスによる新サービスへの視聴者ニーズの有無と観光地への誘致の実現性、(2)アプリケーションサービス利用時に必要となる視聴データ・行動履歴・参加者情報など個人データの提供に対する視聴者の受容性、(3)取得した視聴者データを分析し、マーケティング情報として番組スポンサーや観光施設向けに提供する新たなサービスモデルの実現性、を挙げる。

 CBCテレビらは、「観た後すぐに追体験(マネ)できる」 というローカル情報番組の特性を最大化し、「より効果的にリアルな行動を促す」ことを狙い、送客数最大化につながるサービス構築を目指す。