日本IBMとデータ分析製品を販売するホートンワークスジャパンは2017年9月5日、2社の協業を拡大して、それぞれのビッグデータ向け製品を販売すると発表した。ホートンワークスの大量データを分析する製品群とIBMが持つデータ・サイエンティスト向け製品やリレーショナルデータベース(RDB)製品を組み合わせ、それぞれの販売パートナーを通じて日本で製品を拡販する。

 米IBMと米ホートンワークスは2017年6月に同様の取り組みを発表済みで、同じスキームを日本で展開することになる。IBMのデータ分析関連製品を扱うITベンダーは日本に数十社あるといい、ホートンワークスジャパンの廣川裕司社長は「IBMにはデータ分析のソリューション提供を長く手掛けてきた経験豊富なパートナー企業が多くある。『1+1』が2でなく10以上になるような相乗効果を出せる」と日本での販路拡大に期待感を表明した。

 IBMが新たに販売するホートンワークス製品は蓄積型の大量データを分析する「Hortonworks Data Platform(HDP)」と、ストリーミング型データをリアルタイム分析する「Hortonworks DataFlow(HDF)」。米ホートンワークスは非構造データを高速処理するオープンソースソフトウエア「Apache Hadoop」の最大のコード寄贈者の1つで、HDPやHDFもHadoopをベースに開発している。

 組み合わせて販売するIBM製品はデータ・サイエンティストの分析業務を支援するツール群をまとめた「IBM Data Science Experience」と、Hadoop上でRDBを構築しSQLで処理するための「IBM Big SQL」。販売パートナーは「「Db2」など他のIBM製品なども組み合わせて、ユーザー企業にシステム構築を提案していく。

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 需要としては、POS(販売時点管理)など流通商品データを扱う小売業や、大量の取引・決済情報を扱うFinTechなど金融業、センサーデータなどを扱うIoT(インターネット・オブ・シングズ)などでの活用を見込んでいるという。

■訂正履歴
記事タイトルの社名表記を修正しました。 [2017/09/12 13:45]