日本マイクロソフトは2017年9月1日、パートナー向けのイベント「Japan Partner Conference 2017 Tokyo」を開催した。基調講演に登壇した平野拓也社長は、2018年度(2017年7月~2018年6月)の開始に際し、「八つに分かれていたパートナー関連部門を一つに集約した」としてパートナー事業本部を設立したことを説明。人工知能(AI)や働き方改革といった注力分野を中心に、「パートナーとともにビジネス拡大していきたい」と強調した。

写真●日本マイクロソフトの平野拓也社長
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 新たに発足したパートナー事業本部では、「パートナー・サクセス・プログラム・ジャパン」という名称の新プログラムの提供を始めた。クラウドなど特定のコンピテンシー(強み)を持つパートナーを中心に、日本マイクロソフトと目標設定などを共有する。

 「パートナー向けトレーニングを充実するとともに、より一層マーケティングの支援を強化していく」と日本マイクロソフトの高橋美波 パートナー事業本部長 常務 執行役員は話す。

写真●日本マイクロソフトの高橋美波 パートナー事業本部長 常務 執行役員
写真●日本マイクロソフトの高橋美波 パートナー事業本部長 常務 執行役員
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 トレーニングに関しては米国本社での研修を充実するほか、技術情報を提供する頻度を高める。マーケティングの支援では、日本マイクロソフトが顧客をパートナーに紹介する取り組みを進める一方で、パートナーが開発した製品やサービスを日本マイクロソフトが販売するといったマーケティング施策を実施する。特にAIやMR(複合現実)などの分野でパートナー支援の取り組みを加速する見込みだ。

Windows 7終了に向けた告知を強化

 こうしたパートナープログラムに加え、平野社長は2017年度から強化している業種や技術ごとのパートナーコミュニティを新たに発足することを発表した。野村総合研究所とFIXERが中心になる「金融デジタルイノベーション・コンソーシアム」を2017年9月末に、三井情報とリクルートキャリアが中心になる「HR Tech コミュニティ」を11月に発足する予定だ。

 日本マイクロソフトはすでにIoT(Internet of Things)やディープラーニング(深層学習)、クラウド向けのセキュリティ対策といった分野でコミュニティを発足させている。「これからもコミュニティを強化していきたい」(平野社長)方針だ。

 パートナー支援策のほかに、パートナーとともに実施する注力ポイントの一つとして平野社長は、Windows 7とOffice 2010のサポート終了に向けたキャンペーンの実施を挙げた。「Windows XPの際に不要な特需を生んでしまった反省から、早めに告知していきたい」と平野社長は説明する。Windows 7は2020年1月14日、Office 2010は2020年10月13日に延長サポートが終了する。

 パートナー事業本部を設立するなど、パートナープログラムを大きく変更している日本マイクロソフトだが、平野社長は、「世界のマイクロソフトの中で、日本だけが100%パートナー経由というビジネスだ。パートナーと二人三脚でビジネスを推進していくということに変わりはない」と強調した。