TISは2017年8月30日、顧客企業が利用するクラウドやオンプレミスといったITシステムを一括して管理する拠点「MSCC(Managed Service Control Center)」を見学可能な施設として開設した。ITシステムの管理や運用サービスの導入を検討する企業などを中心に広く公開していく。同社のMSCCは2016年から東京と大阪の2拠点で稼働していたが、一般に公開するのは今回が初めて。TISはMSCCを公開することで、ITシステムの委託運用に対する信頼性を確保する狙いだ。
MSCCは「クラウドサービスの活用」や「BCP(事業継続計画)対策」「サイバー攻撃対策」といったITシステムの運用サービスを請け負う。企業のオンプレミス環境からクラウド環境まで多様なITシステムに対して、24時間365日の運営体制でシステム監視やサービスデスク機能などを提供。これまでITシステムの種類に応じて運用サービスの窓口が別々だったが、MSCCの稼働により一括管理が可能になり、顧客企業の利便性が高まるという。
現在、MSCCが管理している顧客企業の数は約700社で、企業のITシステムに応じたサービスを提供する。サービスセンターではシステムの運用自動化ツールを活用するなどして対応の迅速化を図る。対応するシステムはオンプレミスからプライベートクラウドやパブリッククラウド、複数のクラウドを組み合わせたマルチクラウドも増えてきている。
マルチクラウドのような複雑なITシステムでは、セキュリティ対策が難しい。TISでは(MSCCのセキュリティ部門である)セキュアオペレーションと、TISと提携する米トラストウェーブのSOC(セキュリティ・オペレーション・センター)を連携した対策を構築している。TISプラットフォームサービス営業部の丸井崇部長は「将来IaaSやPaaSといったインフラに加えてSaaSのアプリケーション領域も一括したセキュリティ対策を提供したい」と述べた。