ロジクールは2017年8月31日、同社の最上位機となるワイヤレス型キーボード「KX1000s マルチデバイス ワイヤレス キーボード」(愛称はCRAFT)を発表した。米アドビシステムズや米マイクロソフトの一部ソフトの作業効率を改善する「CROWN」と呼ぶ操作ダイヤルを左上に設けた点に特徴がある。発売は9月15日で、価格はオープンプライス(店頭参考価格は税別2万3750円)。

写真●ロジクールが発表した最高級グレードのワイヤレス型キーボード「KX1000s マルチデバイス ワイヤレス キーボード」(愛称はCRAFT)。
写真●ロジクールが発表した最高級グレードのワイヤレス型キーボード「KX1000s マルチデバイス ワイヤレス キーボード」(愛称はCRAFT)。
[画像のクリックで拡大表示]

 「キーボードの入力や操作を革新的に変えたかった。CRAFTは1981年の創業以来の弊社の知見をすべて盛り込んだ集大成だ」。親会社であるスイスのロジテックインターナショナル キーボード・コンボ部門シニアディレクターのアート・オーギニフ氏は、製品の位置付けをこう語る。

 CROWNを使うと、「Photoshop CC」「Illustrator CC」「PowerPoint」「Excel」といった10種類以上のパソコンソフトで、マウス操作より簡便に目的の処理を完了できる。ダイヤルを操作すると、画面上にショートカットメニューが現れ、例えばPhotoshopでは明るさやコントラスト、彩度の値をダイヤルを回したりダイヤル上部を軽く叩いたりして変更可能になる。

写真●Photoshop CCなどをダイヤルを回したりダイヤル上部を軽く叩いたり、直感的かつ簡便に目的の操作ができるようになる
写真●Photoshop CCなどをダイヤルを回したりダイヤル上部を軽く叩いたり、直感的かつ簡便に目的の操作ができるようになる
[画像のクリックで拡大表示]

 開発に当たり、アドビシステムズのデザイナーやエンジニアなどが協力した。クリエーターであるキャッシュビーの斉藤舞佳氏は、「クリエーターの仕事では細かなマウス操作を繰り返す場面が多く、腱鞘炎に悩まされていた。CROWNによって、手への負担が軽減される」と期待する。Photoshop CCやIllustrator CCなどで多用する「パレット」と呼ぶ調整用のメニューを表示せずに直感的に操作可能になることから、「ディスプレイ上の作業スペースを従来より広く取ることができる点もメリット」という。

写真●ダイヤル操作モードに入ると、画面上にショートカットメニューが現れる
写真●ダイヤル操作モードに入ると、画面上にショートカットメニューが現れる
[画像のクリックで拡大表示]

 キーボードの基本設計にもこだわった。キートップには耐久性に優れたコーティング加工を施し、球状のくぼみによって素早いタッチでもミスが少ない入力を実現した。手を近づけるだけでキーのバックライトが光るなどのギミックも採用。ボディやCROWNの素材として陽極酸化アルミニウムを採用するなど、高級感の演出にもこだわったという。WindowsとMacに対応し、キーボード上の専用ボタンによって接続先パソコンを3台まで切り替えて利用できる。

 無線インタフェースは、同社独自のUnifyingとBluetooth Low Energy(BLE)に対応。電源としてリチウムイオンバッテリーを内蔵する。動作OSはUnifyingがWindows 7以降/Mac OS X 10.11以降、BLEがWindows 8以降/macOS 10.12以降。

 CROWNで操作可能なアプリケーションについては、サードパーティーによる開発を募る。「ソフトウエア開発キット(SDK)を数カ月以内に提供する」(オーギニフ氏)。アプリケーション開発者は、自身のアプリケーションに対応させるプロファイル(定義ファイル)を作成し、ロジテックに送付。「ロジテックが品質を保証した上で提供する」(同氏)という。