日本HPは2017年8月25日、デザイン性を重視したPOS(販売時点情報管理)システム「HP ElitePOS」を発売した。タッチパネル液晶一体型PCを中心に、スタンドを兼ねたプリンター、外部インタフェースを配した台座などを組み合わせて使うモジュール型の設計を採用。店舗の意匠やデザインに応じて構成を柔軟に変更できる。

日本HPのPOSシステム「HP ElitePOS」。
日本HPのPOSシステム「HP ElitePOS」。
[画像のクリックで拡大表示]

 今回の端末について、米HP アジアパシフィック&ジャパン モビリティ担当ディレクターのダレン・ウン氏は「小売業はネットや実店舗などオムニチャネルを前提にした変革が必要だ。テクノロジーが差異化のポイントになる」と話した。そのため、ElitePOSは店舗全体で客との接点を得られるように設計したという。

米HP アジアパシフィック&ジャパン モビリティ担当ディレクターのダレン・ウン氏(左)と日本HP 執行役員 パーソナルシステムズ事業 本部長 兼サービス・ソリューション事業本部 本部長の九嶋 俊一氏
米HP アジアパシフィック&ジャパン モビリティ担当ディレクターのダレン・ウン氏(左)と日本HP 執行役員 パーソナルシステムズ事業 本部長 兼サービス・ソリューション事業本部 本部長の九嶋 俊一氏
[画像のクリックで拡大表示]

 具体的には、店舗の意匠やレイアウトに合わせた機器配置を可能にするために機能を分割した。ディスプレイ一体型PCの本体「ヘッドユニット」を中心に、熱転写プリンター内蔵のスタンド、I/O拡張ユニットなどを組み合わせて利用する。ヘッドユニットはデジタルサイネージやキオスク端末などの用途にも利用できる。

HP ElitePOSの利用イメージ
HP ElitePOSの利用イメージ
[画像のクリックで拡大表示]

 信頼性の面では、同社製の企業向けPCで採用しているファームウエアやディスク管理情報の保護機能を搭載。「HP Sure Start Gen3」でファームウエアを自動復元し、「HP BIOSphere Gen3」でパーティションテーブル(MBRとGPT)の破損を自動復旧するという。物理的な工夫としてはディスプレー側面に溝を設け、液体がかかっても内部を汚損させずに下に流す構造を採用した。

 主な仕様はディスプレーが14型フルHD(1920×1080ドット)、CPUが第7世代Core iコアのCeleron 3965U/Core i3 7100U/Core i5 7300U、メモリーが4Gバイトから(最大32Gバイト)。OSはWindows 10 IoT Enterprise 2016 LTSB(64ビット)またはWindows 10 Pro。

 価格は15万円(税別)から。オプションとして、来店者に価格などを提示するミニディスプレーの「HP ElitePOSトップマウント 2 x 20カスタマーディスプレイ」(税別3万2000円)や、独立きょう体の熱転写プリンター「HP ElitePOS Serial/USBサーマルプリンター」(同3万8000円)、「HP ElitePOS 2Dバーコードスキャナー」(同3万円)などを用意する。

 国内販売代理店は伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)やヴィンクス、シャープビジネスソリューション、ソリマチ技研、日立ソリューションズなど。HP製のPOS端末は「世界シェアは2位。例えば国内ではスターバックス コーヒー ジャパンが採用し、米スターバックスが展開し始めている」(ウン氏)という。