インターネットイニシアティブ(IIJ)は2017年8月23日、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏会をデジタル・オーディオ・フォーマット「DSD 11.2MHz」で、無料でライブ・ストリーミング配信すると発表した。DSD 11.2MHzデジタル音源でのライブ・ストリーミング配信は「世界初の取り組み」という。

 今回、遠隔地から高音質で配信する技術的なチャレンジとして、2017/18年シーズンの五つのオーケストラ公演をライブでストリーミング配信する。注目公演が目白押しだ。

 DSD 11.2MHzは、現在流通しているハイレゾ音源の中で最高音質のフォーマット。左右2チャンネルの音声を流すためには22.4Mbpsの通信帯域が必要となる。これは、インターネットで配信される4K映像と同等のデータ量に相当するという。この膨大な音源データをベルリンから日本までライブで配信する際に、東京とロンドンを結ぶIIJのバックボーンネットワークを経由することで安定した配信を実現するという。

図●ベルリンから日本までの配信の流れ
図●ベルリンから日本までの配信の流れ
(出所:IIJ)
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 IIJは、ベルリン・フィルのメディア子会社Berlin Phil Media GmbH(ベルリン・フィル・メディア)のストリーミングパートナーとして演奏会映像配信サービス「デジタル・コンサートホール」をサポートしてきた。またベルリン・フィル・メディアからコンサート音源のオリジナル・マスターの提供を受けて、ハイレゾ配信サービス「PrimeSeat」において無料配信している。

 IIJでは、これからもより「良い音」を広域で配信することを追求する方針。

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